カフェモンマルトル

text:高野雲

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これからは毎日が即興演奏

      2016/11/15

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piano

昨日、会社を退職いたしました。

15年勤めましたが、飽きっぽい自分にしては、よくまぁ、続いたと思います(笑)。

15年間のサラリーマン人生の中で、一番得たこと、身に付いたことは、「我慢すること」だ、というと、多くの人が怪訝な顔をし、たったそれだけ? もっとマシなこをと得てないの?って顔をします。

しかし、私にとっては、「我慢の大切さ」を学んだことはとても大事なことだと思ってます。

おかげで、なかなかキレなくなったし(笑)。

先日、西麻布の某バーに行ったら、2~3時間の間お客が私1人だけだったので、いつものように、色々なバカ話とエロ話を楽しみました。

私は8月1日生まれですが、そのママも8月1日生まれ。

関係ないけど、田村正和も8月1日生まれ(笑)。

椎名誠もそうだったかな?

だから、妙なところで考えていることが一致するんですよ。

考える内容というか、モノを観るときのツボのようなもの面白いほど一致するので、会話していて楽しい。

そのママだけは、私が、サラリーマン時代に学んだことは「我慢すること」だ、といったら、「分かる!分かる!私もそうだった!」と大いに共感してくれました。

私は「40歳前には独立する」と思い続けていましたが、そのママは「30歳前には独立して店を出す」と思い続けていたという、似たような話も面白かった。

私は会社を辞める!と決意した瞬間から誰にも相談せずに、ぱっぱかと一人で手続きやら計画を練りはじめましたが、そのママも同じ。やる!と決めたら、さっさか行動に移したようです。

で、最後に、「あなたは絶対に大丈夫!」という自分の背中を押してくれる強力な一言を聞くために、占い師に金を払ったというところまで共通していた(笑)。

そうなんですよ、私、先日、生まれてはじめて3千円払って占い師に占ってもらったんです(笑)。

駅ビルの中の占いコーナーの占い師のおばさんに。

手相と四柱推命とあと、なんだか忘れたけど、色々な角度から私の将来を占ってくれました。

というより、私の態度と顔が、「独立してうまくいきたいんけど、うまくいくよね!!!?」だったと思うので、その空気を察してか、占い師のおばさんは、私の迫力に気後れしたのか、私の耳に心地よい言葉ばかりを並べてくれました(笑)。

でも、今年は「人生にとって大切な出会いの機会の多い年」だというのは、結果的には当たっていましたね。

正確には昨年だけれども、ある人との出会いがなければ、これほどまで速く独立に踏み切っていなかったことでしょう。

出会いは大切です、ほんと、人も音楽も。

ちなみに、私が占ってもらっている様子を息子が物陰から、じーっと興味深そうに観察しているんですよ。

「しっ、しっ!邪魔だから本屋で立ち読みでもしてろ!」と追い返したんですが、しばらくすると、また柱の影から、そーっと様子を観察している(笑)。

しょうがないなー。よし、こっち来い!

息子を抱っこして、

「すいませーん、こいつも占ってあげてください。追加で千円出しますから。あ、手相だけ見てもらえればイイですから」

と言って、息子の手相を観た占い師は、

「この子は凄い! 頭がいいし、健康だし、優しいから多くの人から慕われるリーダー格になるわよ。しかも15歳ぐらいになって現われてくる線がもう出てきている!」

と驚嘆の声をあげて、いかに息子の運勢が素晴らしいのかを熱っぽく語り始めました。

私のときは、淡々と占っていたくせに、息子のときは、こんなに熱いのかよ、きっと私のときはリップサービスだったのね、と感じましたが、ま、いいや。

第三者から、「あなたは大丈夫! きっとうまくいく」という一言を聞きたいためだけに3千円を払ったんだからさ(笑)。

西麻布のバーのママもそうみたい。

ようは、「あなたは大丈夫!」という一言のために、お金を使ったと言ってました。

つまり、占い師を活用するという発想まで一緒なんですね。

さすが、自分中心の8月1日生まれならではの発想です(笑)。

それはそうと、サラリーマン生活に終止符をうった私は、今日から自分の1日をまるっきり自由にデザインすることが出来るようになりました。

朝の満員電車に乗って窮屈な思いをする必要がなくなったかわりに、窮屈な思いをしたければ、満員電車に乗って窮屈な思いを楽しむことも出来るようになりました。

何時何分からの会議に出ることもなくなりましたが、打ち合わせしたければ、「何時何分にどこどこで」と自分の都合で打ち合わせを設定することが出来るようになりました。

何月何日までに提出しなければいけない書類を書く必要がなくなったかわりに、書類を書きたければ、何百枚でも書ける自由を手にしました。

仮にイヤな上司がいたとして(笑)、その上司の顔を毎日拝む必要がなくなり、仕事相手を「自分と仕事をしたい人」という基準で選べるようになりました。

それって、すごいことです。

うれしいなったらうれしいな、です。

すべてが自分裁量です。

もちろん、リスクや責任もともないますが、でもそれって、ジャズマンの即興演奏に似ていませんか?

白紙の時間空間の中、ジャズマンは何を弾いてもいいんです。

もちろん、コード進行やリズムなどの制約はあるのですが、それでも、ガンジガラメにスコアで縛られている音楽とは違い、何を弾いてもいいし、
何を弾かなくてもいい。

コルトレーンのシーツ・オブ・サウンズのように 空間を音で敷き詰めてもいいし、『マイルス・スマイルズ』のハンコックのように、フロントの管楽器がソロをとっている間は、まったくピアノを弾かなくてもいい。

この自由さとは裏腹に、常に自分の目論見やアプローチがうまくいかなかった場合は、惨めさ、カッコ悪さという暗黒が口を開けて待っています。

私の場合も、1日の時間の中、どのように演奏してもいいのだけれども、悪ければ「食えない・生活できなくなる」というリスクは常につきまとう。

だから、「ハラハラ・ドキドキさ加減と裏腹の自由さ」というのはジャズマンの即興演奏行為とまったく一緒なんですね。

しかし、それって面白そうじゃん(笑)。

私は安定した収入を引き換えに手にする「拘束された日常」よりは、ジャズマン的、崖っぷちの快感を選びます。

というか、もう選んじゃったんで後には引き返せないんだけどさ(笑)。

さあ、今日から私の「ジャズ的人生」の幕開けです!

記:2007/12/29

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