【三文日記】2000年1月
2024/05/04
1/1(sat)
女房の実家に新年の挨拶詣で。
道中の往復3時間強、重い上に暴れる息子を抱っこバンドで固定しての移動は腰と肩が相当辛い。
中谷彰宏『大人のスピード勉強法―時間がない人の66の具体例』、ファンキー末吉『酒と太鼓の日々』読了。
1/2(sun)
息子と女房と近所のショッピングセンターに買い物、コムサの子ども服売り場で例によって息子が「赤ちゃんスマイル」を連発したために、女性店員に囲まれてしまう。
夜、和食レストランの座敷個室で息子&女房と食事。
中田英寿・小松成美 『中田語録』読了。
1/3(mon)
こう休みが長々と続くとテンションの弛みが心配になり、休日出社するほどのことがなくとも、つい足が会社へ向かい、午前、午後とデスクで残務処理しまう俺はつくづく働き蟻だ。
帰りにお茶の水ディスク・ユニオンへ寄り、中古CDをチェックするも特にめぼしいもの無し、しかし買いそびれの定番を5枚ほど購入。
夕飯は鍋、7時に始めて気付いてみたら10時を回っていた……。
1/4(tue)
女房、息子とシズラーで晩飯。
息子、ベビーカーからウエイトレスのスカートめくりを試みるが失敗、不機嫌。
鈴木佳行『めんこ・昭和30年代ノスタルジックワールド』読了。
1/5(wed)
今日から会社スタート、すぐに感覚を取り戻せたので一安心。
原宿で「ぼんしゃんラーメン」、渋谷のタワーで「スティーブ・ライヒ」など。
市山隆一『私論・勝新太郎~「勝新語録」とその背景』読了。
1/6(thu)
E嬢からの勧めで、宮部みゆきの時代物を読んでいる。
話自体は悪くはないのだが、カツラをかぶった現代人の寸劇を見ているような気分になってしまうのは、あまりに現代語的なセリフまわしや、登場人物の現代的な思考回路やメンタリティ、そして“ちょーのーりょく”に原因があるような。
爆笑問題『爆笑問題の日本原論2000』(宝島社)読了。
1/7(fri)
ジャズを聴き始めの頃、最初に購入したバド・パウエルのアルバムは『タイム・ウェイツ』。
大音量でかけると今さらながらフィリ-・ジョ-の殺気立ったブラシの迫力に圧倒されてしまう。
宮部みゆき『かまいたち』(新潮文庫)読了。
1/8(sat)
休日出勤、一通り仕事を終えたあとお茶の水にてジャズのCD7~8枚、ジャズベースの譜面を購入。
C君と銀座で浅野忠信主演の『地雷を踏んだらサヨウナラ』を観る。
後HMVでまたまたCD数枚購入後、飲み。
1/9(sun)
一族郎党顔合わせの日。
女房&息子と実家の両親を訪問。
江田康和『空想科学大学』(宝島社)読了。
1/10(mon)
一発太郎を利用して「Monkのページ」や「雑想」を各検索エンジンに登録してみる。
同時に、効果測定のためトップページにもカウンタを設置。
女房&息子と「Pervene」にて、白にあわせて手長海老のグリルや鯛のワイン蒸しなど。
break
1/11(tue)
仕事が中途半端に忙しくない(へんな表現だな)ので、逆に気分もカラダもだらけがちな一日。
ちょっとした余裕がうまれると、疲れを自覚する余裕が出来てしまう。
帰宅後すぐに爆睡。
1/12(wed)
学生時代は今よりもフレーズ(センテンス・単語)にとてもこだわっていたが、最近はもっぱら音色とリズム(トーンと間)。
この二つが満たされないところに、いくら素晴らしいフレーズを並べたてたところで(高説をふりまいたところで)、聴き手をゆさぶる表現(おいしい酒の席)はありえないと思う。
そしてアドリブ(機転)の利き具合と、ちょっとした遊び心(スケべ心)がお互い気持ちよい時間(関係)を共有できるポイントだと思う。
1/13(thu)
スーパーデザイナーO氏、彼のアシスタントのL嬢、そしてЯ氏と六本木の巨牛荘で焼き肉、バックステージで飲み&カラオケ、松兵衛で日本酒。
朝の5時前に帰宅。
中村とうよう『大衆音楽としてのジャズ』(中公新書)読了。
1/14(fri)
扁桃腺が腫れて熱が出たため会社欠勤。
ところが、進行中の仕事が多すぎて一日中自宅に電話とファックスの嵐で、状況は会社にいるときとさして変わらず、休んでいるヒマなし。
しょうがないから、夜の9時に出社し仕事片付け、朝5時に帰宅。
1/15(sat)
息子と楽器屋へ民俗楽器を見に行くが、息子がゾウさんベースの弦を叩きまくったので「この赤ちゃんレッチリだ~」と店中で大ウケ。
結局、ゾウさんベースはまだ早いので、サンバースト塗装のボンゴを買ってやった。
女房&息子と「つばめグリル」で、べライヒオーバーモーゼルにアイスバイン、牡蠣のグリルなど。
1/16(sun)
バックステージで椎名林檎ファンの「信念会」を開き、今回の集まりで3回目だが、いままでを上回る参加者の人数の多さに驚いた。
カラオケ館で「虹会」、蕎麦が旨くて店員の対応のマズイ居酒屋で惨事会。
参加者の一人をタクシーで自宅の近くの駅まで送り、俺は飲み足りないので氷のおいしいショットバーで一人一杯やってから帰宅。
参加者
朝美、かんな、かっぱくん、すばる、桃花、まゆこ、さくら、ルーク伯爵、きつつき、こてこて、こん、C98、おたこ一匹、能、hikky、まー、ユニ(以上ハンドルネーム表記)
1/17(mon)
寒い一日。
ようやく冬らしくなってきた感じ。
冷たいチェイサーとともに、ウイスキーをストレートでグイっとやりながら、モンクの<ストレート・ノーチェイサー>なんかを聴くという洒落にもならない至福のひととき。
1/18(tue)
不摂生な生活が続いたためか、口内炎が出来たり唇が腫れたように膨らんだり、顔にデキモノが出来たりで最悪。
それでも飲みに繰り出す私は、本日H嬢と六本木で飲み、朝6時半頃に帰宅。
さあこれから出社だ!!
1/19(wed)
会議でウトウト、エクセルに打ち込んだ文字がチカチカ。
寝不足に耐える一日。
帰宅後、わんぱく息子に妨害されてベースの練習出来ず。
1/20(wed)
亡作家の著作物の版権で商売をしている某プロダクションとトラブル。
疲れがまだ残っているのか、酒でヘロヘロ。
鈴木孝夫『日本人はなぜ英語ができないか』(岩波新書)読了。
1/21(fri)
今日はこの冬一番の寒さらしい。
そろそろ下駄の履けないシーズン到来か?
翌日の徹夜練習に備えて夜11時には就寝。
1/22(sat)
息子とCDを買いに蔦屋へ。
購入した数枚のアルバムのうちの1枚、ミシェル・ンデゲオチェロの新譜(もう新譜じゃないか?)が素晴らしくて、こればかりを何度も何度もリピートしてかけっぱなしにしていた。
渋谷でリタギストのこんちゃんと練習前の一杯をやり、スタジオの深夜パックを利用して「椎名林檎コピーバンド(名称未決定)」の練習。
1/23(sun)
林檎コピーバンドの深夜の6時間練習もあっという間に終わり、夜明けの「富士そば」のミニ牛丼セットの旨いことよ、帰宅後、爆睡したくも息子が寝かせてくれず。
パンク・ベーシストのSH君が我が家に来訪し彼の想像以上にピュアでクリーンなトーンに驚き感心したので、来月の我が「林檎コピーバンド」ライブの対バンとして、バックステージへの出演を勧める。
女房&息子とイタ飯屋でレフォスコと地鶏のモッツァレラチーズのせなど。
1/24(mon)
一日中、妙な吃逆が続く。
ミッシェル・ンデゲオチェロの『ビター』の深い世界を何度も何度もリピートして堪能する。
司馬遼太郎『対談集 日本人への遺言』(朝日文庫)読了。
1/25(tue)
椎名林檎のマキシシングル2枚の発売日。
女房が俺の帰りが遅くなることを見越して買っておいてくれたが、会議や打ち合わせの連続でへろへろ状態で帰宅したためか聴く気がまったくおきない(プロモーションで見ているからいいや、という気持ちもある)。
相変わらずンデゲオチェロをBGMに、ページの更新にいそしむ。
1/26(wed)
今、自分が携わっている仕事は、社始まって以来の大きなプロジェクト、忙しい上に本当に細かいところにまで神経を行き届かせなければならない。
「人の2倍働き3倍遊ぶ」ことを目指している私としては、だからつい遊びの予定もたくさんいれてしまう(体調は無視)。
よって、今日は渋谷でI君と飲み、途中でN嬢が合流、N嬢脱退後I君と六本木に移動、バックステージで深夜2時まで飲み。
1/27(wed)
ようやく椎名林檎の新譜『ギブス』と『罪と罰』をじっくりと腰を据えて聴くことが出来た。
『罪と罰』収録の《君ノ瞳ニ恋シテル》いいじゃん(笑)。
《罪と罰》のベースライン、お、この3連は俺の得意なのパターンではないか、バンドのレパートリーになりそうだなー、などと思いながら何度もCDに合わせてベースを弾く。
1/28(fri)
大塚ひかり『「ブス論」で読む源氏物語』(講談社プラスアルファ文庫)読了。
平安中期に根付いた浄土教をベースに展開される当時の人々の「身体論」への展開は興味深い考察だ。
私は今も昔も清少納言派だが、執拗にブスを描写した紫式部の透徹した視線は、画家のそれに通じるものがあると感心すると同時に、宮仕えでは冴えなく鬱屈した生活を送りつつも、日記や物語で才覚を発揮する「現実」と「非現実」の狭間での彼女の葛藤は、現代人の「分裂質(境界例)」にも通じるものがあると思った(HPで御立派なことを仰っている人にも多そうな気がする)。
1/29(sat)
日中仕事、夕方E嬢と待ち合わせ、『御法度』(監督:大島渚)を観に行く。
のちNSビルのワインバー。
のち御法度…ではなくて終電で帰ったってば新宿。
1/30(sun)
女房&息子と近所の和食ファミレス。
座敷の個室でダラダラ&まったりと飲み食いして、気がついたら3時間以上経過していた。
光琳社プレス『King for a decade Jean-Michel BASQUIAT』読了。
1/31(mon)
独り六本木のおでん屋で飲み。
飲みながら木星のことをずっと考えていた。
巨大すぎて一見不気味なほど静かだけれども、想像を絶するほど激しいであろう木星の大気・引力・表面を想像していくうちに恐怖の感情。