誘拐怪人・ケムール人の魅力
腰から足にかけてのラインが妙にセクシーでリアルな、ケム-ル人のソフト・ビニール人形を店頭で見つけたので思わず買ってしまった。
キュービズムの影響を受けたのであろう顔の造型は、見れば見るほど不思議な趣きで、特に眼球が顔の溝に添って上下左右、そして後ろにまで移動できるようになっているのは不気味だ。
『機動戦士ガンダム』に登場するモビルスーツ、たとえばギャンやアッガイなども、ケムール人の顔のデザインの影響を受けているのかな、とふと思った。
後に『ウルトラマン』の最終話に登場するゼットン星人も、ケムール人と同系の種族だと思われるが、とにもかくにもこの外見はインパクトありすぎで圧巻。
よくもまあ、こんなにも芸術的なセンスを、児童向けのテレビ番組のキャラクターに落とし込んだなぁと感心することしきり。
このあたりに、前衛芸術だけでは飯を食えなかった気鋭のクリエイターたちの意地が静かに発揮されているのかもしれない。
記:1999/03/22