ノーバディ・コレクションズ 1982-1985/ノーバディ

   

NOBODY COLLECTIONS 1982~1985

矢沢永吉のバックを務めていた人たち

高校時代、友人に紹介されてはじめてノーバディを聴いたときは、うーん、アメリカン! ものすごくバドワイザーだぞっ!と思った記憶があります。

ヴォーカルの語尾に漂う独特な節回し、ワルでワイルドな大人のアニキって感じがしたものですが、なんだかバドワイザーなアメリッカ~ン(当時売れていた「小林克也のアメリ缶!」みたいな感じ)な感じがして、すごくヴォーカルのハーモニーも演奏のバランスも気持ちよいのだけれども、ちょっと違うかな~と、思ったんですね、第一印象は。

ま、当時は生意気な高校生でしたから。

で、そのような感想を素直に友人にぶつけてみたら、なるほど彼らは矢沢永吉のバックを務めていた人たちだったのです。

なるほど。どうりで「プロっぽいワイルドな感じ」がしたわけだ。

そして、このテイスト、自分からは自らは聴こうとはしない類の音楽ではあるけれども、ニクたらしいほど、演奏もアレンジもクオリティが高いんだよね。

特に、前半の《リバプールより愛をこめて》や《バック・トゥ’64》なんて、一回耳を通すだけでツカミは抜群!

だから、当時はテクノやメタルばかり聴いていた自分の領域、というか守備範囲を拡げてくれた友人には感謝しています。

アイム・ノーバディ

ベスト版を聴き進めていくうちに、打ち込みビートのナンバーがあることに気が付いた。

《アイム・ノーバディ》という曲です。

当時、イギリスやドイツのエレポップにハマっていた私の耳は、「おっ!?」と敏感に反応します。

当時のエレポップにありがちだった、シンセベースがオクターブを繰り返す基本パターン、そしてサビなどのポイントとなる箇所ではオクターブ上下を繰り返しながら半音ずつ上昇(あるいは下降)していく常套句的なラインが、逆に新鮮だったのです。

ハネ気味の打ち込みビートとシンセベースのリズムに、「♪誰でもないのさ君がいなけりゃ」と歌われる。
そして、その後のシンプルな旋律が切ない。

エンディングは無愛想にブチッと突然終わるところも、なんだかイイ。
ハマりましたね。
何度も聴いた。

もちろん、この曲以外にも《チャイナ・ドールと踊れない》のような、もっと凝った打ち込みのナンバーもあったんだけれども、シンプル&ストレートな《アイム・ノーバディ》が一番良かった。

当時は、学校帰りに渋谷や新宿に行くことが多かったんだけれども、ウォークマンのカセットテープの中に収められたノーバディの音源が似合うのは、個人的には新宿でしたね。

特に、高校3年生になると新宿と代々木の中間地点にあった予備校に通うようになったのですが、ノーバディの《アイム・ノーバディ》を聴きながら歩く、新宿南口や甲州街道の風景が自分の中ではとてもシンクロしていて、ウォークマンのイヤフォン(当時はヘッドフォンだったかもしれない)を耳につっこみながら、新宿の雑踏を歩くことがとても好きでした。

青臭い青春の1ページってやつですね(笑)。

記:2011/09/29

収録曲

NOBODY COLLECTIONS 1982-1985 (TDKコア)
- Nobody

1.マイ・ロード・ショウ
2.リバプールより愛をこめて
3.マッド・ドリーマー
4.バック・トゥ’64
5.フォー・オンリー・ユー
6.マリリン
7.LUV-YA
8.アイム・ノーバディ
9.チャイナ・ドールと踊れない
10.ダーリン・ダーリン
11.真夜中のラナウェイ
12.モニカ
13.スウィート・ベイビー・スリープ(サヨナラは八月のララバイ)
14.ディア・マイ・ハート〜君のためにラヴ・ソング
15.モノクロームの夏
16.エブリバディ・シャウト
17.プレジャー・シンドローム
18.サイレント・ナイト

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