小テストから分かる2つのこと<後編>
漢字テスト 例文
前編から引き続きますが、こちらはどちらかというと意識面の話です。
英単語テストの目的は「語彙の獲得量のチェック」ですね。そして、これは漢字テストでも同じです。勿論、字形や「とめ・はね・はらい」、書き順等に気を付けながら、漢字そのものを書けるようにするということもありますが、これは第一段階。そこで終わっては読解力には繋がりません。
漢字の意味を把握し、その漢字の訓読み(和語)や熟語を覚えていくことで、語彙を増やしていくのが正しい学習です。
この観点で言うと、「例文ごと書いて覚える」ことが効果的な練習法です。
例えば「レンメンと続く営み」という問題があったら、「連綿、連綿、連綿……」と書くのではなく、多少面倒でも「連綿と続く営み」と書いていく方が良い、ということです。
特に「ウチの子は言葉数が少なくて…」という事であれば是非こうしてください。練習の前に、辞書で意味を調べるのも大切ですけれど。
語彙 読書量
話は逸れますが、子供の語彙は「親の語彙」と「読書量」にほぼ比例すると私は考えています。子供の日常生活で、「新しい言葉に触れる」2大機会がこれらだからです。この話はまた改めて。
それで、ここからが笑える話なのですが、漢字テストや単語テストで間違える問題は、「本人の意識の外にある言葉」であることが多いのです。
例えば「親コウコウ」が書けない子。あっ、確かに孝行息子・娘じゃなさそうだなぁ……という事がホントに多いんです。「リチギ」が書けない子は挨拶や物の扱いがいい加減だったり、「ケンキョ」が書けない子はワガママだったり……。
あと、私の塾では「勉強」と「学習」の違いについてかなりこだわっているのですが、何度注意しても、英単語テストの「学ぶ」を"learn"ではなく"study"と書いてしまう子も少なくありません。それ、学んでないやんけ。ということで、そういう子には間違える度に、「勉強ではなく学習せぇ」というお説教です。
一度で分からなければ二度、二度で分からなければ三度……何億回でも言い続けますよ、私は。
text:山近晃広
飯田橋にある学習塾『誠塾(まことじゅく)』代表。
10年以上の講師経験を元に、教育や学習に関する話をして参ります。
勉強のコツから業界の裏話まで!? 話題は硬軟織り交ぜて。
JAPAN MENSA会員。
●誠塾 http://www.ab.auone-net.jp/~makoto-j/
※当サイトの「ベース馬鹿見参!」に共感いただいた「誠塾」の塾長・山近様よりご寄稿いただきました。