HGUCパラス・アテネ制作記~無塗装 汚し仕上げ

      2021/12/15

せなすけ動画で作りたくなる

先日、せなすけさんのYouTubeの組み立て生配信の動画を観ていたら、パラス・アテネが作りたくなりました。

彼女が作っていたのは旧キットのパラス・アテネ。

これ、私も発売直後、すぐに購入し、作ったことがあるので、観ていてとても懐かしい気分でした。

でも、この旧キットのパラス・アテネって、「非武装」なんですよね。

背中のミサイルはないし、腕にもビーム・ガンも盾もないという。

旧キットは、丸腰、本体のみなんです。

設計コンセプトが火力重視のMS(モビルスーツ)であるにもかかわらず……(苦笑)。

ま、それはそれで味わい深いものがあるのだけど、やたらと発色の良い黄緑パーツを塗装する際、かなり苦労した記憶があります。

なので、峰不二子似のレコアさんが搭乗するパラス・アテネは嫌いじゃないけど、旧キットのほうはさすがにもう二度と作りたくないなぁというのが正直なところ。

だったら、HGのほうを作ろうと思い立ち、押入れの中から経年劣化で少々くたびれた箱のパラス・アテネのキットを取り出しました。

箱は古くなっても中身のプラスチックは古くならないから大丈夫。

箱の中はこんな感じ。

で、ランナーを並べてみたら、こんな感じ。

ミサイル、盾、ビーム・ガンなどの武装が、このHGのキットには付いているのが嬉しいですね。

そのぶん、少々ランナーは多めな気がしますが、パーツ数はそれほどでもないので、比較的短時間で組みあがりそうです。

組み立て説明書(の一部)です。

ということで、まずは素組みです。

まずは対艦ミサイルから

ランナーの数がいつまでも減らないと、ぐんぐん作る気が萎えてくる私。

なので、最近の私はガンプラだと大きな部品(たとえばシールドとか)から作っていくことが多いです。

パラス・アテネの場合は、B2ランナーがまるごと対艦ミサイルなんですね。

よし!ミサイルから作ろう。
そうすれば、まるごと1枚ランナーが減るし。

それと、比較的パーツの体積の大きなシールド、ビーム・ガンもついでに作ってしまえば、かなり箱の中がスッキリするかもしれない。

そう考えて、8本の対艦ミサイルと、ビーム・ガン、シールドを作りました。

ついでに、シールドの裏に装備するビームサーベルも作ってスチロール樹脂のSB6ランナーも減らせました。

これで、ランナーが2枚減りましたね。

本体を作ってから武器類を作るのが定石かもしれませんが、今回は(今回も?)MSのボディを作る前に武器類を作ってしまいました。

長身なボディのわりには、パラス・アテネのビームサーベルは短めに感じますね。

次は、これも部品が大きな背中のムーバブル・シールドとそれを接続しているバックパックを作ります。

武器類と関係のある箇所から

パラス・アテネの武器類を装着する箇所を作ってみました。

具体的にはミサイルを装着するムーバブル・シールドと、ビーム・ガンやシールドを装着する両腕、ビーム・サーベルを持つ手ですね。

さらに、ムーバブル・シールドが接続されるバックパックと、バックパックと両腕を装着するボディも作りました。

最近のパーツ数多めのHGに比べれば部品数が少ないため、それほど時間がかかりませんでしたが、いや、けっこうかかったかな?

何しろ作るの遅いので。

パーツをニッパーで切り取るたびにゲート処理とペーパーがけをしてから組んでいるので、結局ここまでにたどり着くまでに2時間弱はかかっています。

なぜなら録画して観ていなかったドラマを観ながら組み立ていたのですが、NHK大河ドラマの『麒麟が来る』2話ぶんと、朝ドラの『スカーレット』の最終回を観れたので。

ま、テレビ見ながら作っているから遅いんだよ、ということにもなりそうですが。

あっという間に素組み完成!

もともと、それほどパーツ数の少ないキットゆえ、武器類とボディを作ってしまえば、残りの頭部、腕部、脚部はそれほど時間をかけずに作ることが出来ました。

とはいえ、ジャズを聴いたり、録画していたドラマを観ながら手を動かしていたので、2~3時間はかかったと思いますが……(遅)。

とにもかくにも素組み完成!

後ろ姿。

もうひとつのパプティマス・シロッコが設計したMSジ・オとともに。

なぜかキット化されていない森のクマさん(ボリノーク・サマーン)がいれば、シロッコが構想していたMS連携構想トリオになるんですけどね。

ボリノーク・サマーン⇒索敵
パラス・アテネ⇒遠距離攻撃
ジ・オ⇒近接戦闘

体型のイメージからだと、ジ・オよりスリムなパラス・アテネのほうが接近戦のMSっぽく見えるのだけど(足先が格闘専用のクローになるしね)、ジ・オはあの体型ながらもかなりの機動力があるから、人は見かけによらずですね。

人じゃなくてMS(モビル・スーツ)だけど。

パラスア・アテネのデザイナーは永野護ではなく、藤田一巳なのですが、この体系、シルエットはHM(ヘヴィーメタル/『重戦機エルガイム』に登場する人型メカの呼称)を彷彿とさせます。

いずれにしても、独特なカタチをしていることは確かで、旧キットおズングリムックリ感が払拭され、オリジナルに近いフォルムに進化しているHGUCのパラスア・アテネは、顔が異常に小さく、盾も異常に薄く、脚が異常に長いです。

完成すると、HGの平均的なガンプラよりもかなりの長身で、なかなか存在感とインパクトのあるMSに仕上がります。

お値段も安めなので、なかなかコスパの高いキットだと思いますよ。

さて、今回は無塗装で汚しフィニッシュに持っていこうと思います。

無塗装・無トップコート

で、汚しまくって、HGUCのパラス・アテネが完成しました。

今回は無塗装で仕上げました。

後姿。

今回は自分の中では新たな試みをしてみたつもりです。

それは、つや消しトップコートを使用しない「直汚し」です。

プラスチックの成型色を活かし無塗装でウェザリングをする際は、つや消しトップコート(あるいはつや消しラッカー)を吹き付けてからウェザリングをすることが定石です。

しかし、無塗装の時はいつもやっている工程なので、たまには違うこともしてみようと考え、今回はつや消しスプレーを吹かずに、いきなりプラスチックの上に汚しをかけてみました。

とはいえ、やっぱりツルツルした表面上にチッピングなどをしても、あとで塗料が剥がれそうな感じもします。

だからこその、つや消し剤なのですが、つや消し塗料を薄くでも吹いておけば、それが細かなギザギザした粒子の壁を作ってくれてそこへの食いつきが良くなるような感じがします。

また、エナメル系塗料や、ごく稀に油絵の具のテレピン油をプラスチックにじか塗りすると、プラスチックが脆くなったり、割れてしまったりすることもあるので、これらの塗料の保護膜の役割としても、やはり、無塗装でウェザリングをする場合は、つや消しスプレーを吹いておいたほうが良いに越したことはありません。

しかし、それをわかった上で、あえて違う方法で実験してみたくなるのが人情というもの。
そんなこと考えるのは私だけかもしれませんが。

ということで、まずは軽い保護膜作りと、今後の塗料の定着を良くするために、まずはウェザリング塗料のフィルタ・リキッド レイヤーバイオレットを筆塗りしました。

まあ要するにフィルタリングですね。

通常であれば、マルチブラックや、ステインブラウンのような黒系や茶系で最初はフィルタリングをかけるべきなのでしょうが、それもいつもやっていることなので、たまには違うことをやってみようということで。

1日ほどかけてバイオレットを乾かした後は、次はスミ入れ感覚で窪みを中心にマルチグレーを流し込んでみました。

通常であれば、もっと濃い色のほうが良いのでしょうが、さすがに黄緑色に対して真っ黒だとかなりドギツイ感じになりそうなので、最初はソフトに影をつけましょうという感じですね。

これも1日前後乾燥させます。

そして、あとは、もうひたすらスポンジでチッピングです。

正直、何色使ったのか覚えていないほど、色々な色を使いました。

メインに使用したのはタミヤアクリルですが、ところどころクレオスの水性塗料も使用しています。

タミヤアクリルだと、NATOブラック、ジャーマングレー、ニュートラルグレー、オーシャングレイ、スカイ、クリアオレンジなどをスポンジにしみこませ、ランダムにぽんぽんとパーツに叩きつけています。

クレオスの水性だと、焼鉄色、シルヴァー、マホガニーなどです。

途中、プラスチックの反射などを押さえ込むために、Mr.ウェザリングカラーのフィルタ・リキッド スポットイエローや、グレイッシュブラウンなどをところどころに塗りつけて色調に変化を出しています。

で、あれこれ手を動かしているうちに、みるみるとパラス・アテネが汚くなってしまい、もうここらへんで休もうと手を止めて完成!

……という流れです。

組み立てている時間よりも、プラスチックの上に塗料を筆でペタペタしたりポンポンしたりしていた時間のほうが長く感じたのは、きっと乾燥時間が長かったからなのでしょう。

それにしても、パラス・アテネ。
スリムでスタイルいいですねぇ。

おまけに予想以上に小顔です。

無理なポーズは取れないけれども、ふつうに立っているだけでもものすごい存在感。

細身なので安定感悪いようにも感じますが、意外にそうでもない。
カカトの左右から生えている(?)クローのお陰かもしれませんね。

おまけにパーツ数が少ないので組み立て安く、しかもお値段も安い。

暇を潰すにはもってこいのキットだと思いますし、なによりも完成したときの「思った以上にスリムでカッコいいな」という楽しい驚きも味わえる、なかなかの高コスパキットだと思いました。

記:2020/04/10

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