AC/DCのライヴだぜ!

   

text:高良俊礼(Sounds Pal)

AC/DC 世界遺産

1975年のデビューだから、もう私の年齢と同じぐらいの年月をロックン・ロールで突っ走ってることになるAC/DC。

40年近くずーーーーーーーっと、自分らのスタイルを一切変えることなく「3コード、8ビート、全力疾走(リードギターのアンガス・ヤングは本当にステージを走り回ってる!)」でライヴやってレコーディングしてライヴやって・・・。

で、世界中を沸かし続けているバンドというものを私は他に知らない(大物につきもののゴシップもほとんどない!)。

「ロックン・ロール・モンスター」と異名される彼らであるが、いや、もう彼らをこそユネスコは世界遺産に認定すべきだと思う。

AC/DC 名盤

「AC/DCってどれが名盤っすか?」て訊かれても、「えぇ~っと、どれ聴いても大体いっしょだからどれでもいいんじゃない?」と思いつつ「そうですねぇ、やはり『バック・イン・ブラック』と『ロック魂』は名盤と云われております。でもやっぱりライヴもイイんで『ライヴ』は聴いとくべきでしょうねぇ。。。」と、お店に来るお客さんには一応キチンと対応しておった私だが、本音としては「AC/DCは全部よろしい、全部聴きなさい」であります。

どのアルバムも「いっしょ」といえば一緒、ゴキゲン。最高。

私もバカになっておりますが、これはホントのところです。

全部お聴きなさい。

ライヴ・アット・リヴァー・プレイト

とはいえ、一個人の財力にも時間にも、限界というものがある。

だからまずはとっかかりとして、2012年リリースの『Live at River Plate』と、できればあと4、5枚ぐらいは全家庭に常備して頂きたいところだ。

「でもやっぱりAC/DCはライヴがイイのよね♪最高なのよね♪」と、強引に結論付けて、『Live At River Plate』をご紹介しよう。

12月にアルゼンチン、ブエノスアイレスで、3日間のうちに20万人を動員して行われたこの凄まじいライヴ。

相っ変わらず1ミリもブレない「3コード、8ビート、全力疾走」の美学最高(!)、最初から最後まで一瞬もダレずに全力疾走する演奏のテンション最高(!)、そしてオーディエンスのテンション最高(!)

それに加えて音質の素晴らしさ(!)

AC/DCのライヴは過去にもそれこそ多数出されているが、ギター、ヴォーカル、ベース、ドラムと、バンド全部のサウンドがこれほどリアルに「バッキィィィィン!」と、迫ってくる、ド迫力のサウンドは本当に凄い。

もうちょっとマニアックなことを言えば、ギターの音、右チャンネルがアンガス、左チャンネルがマルコムと、キチンと分かれている。

だからAC/DC最大の魅力である「アンガスのリードとマルコムのサイド」の対比がとても際立っていて楽しめる。

いや、ホント「ライヴ盤のくせになんたるごと、スタジオ盤より鮮明な音、もうこれバカだ・・・」と、思わずスピーカーの前でつぶやいてしまった、ああなんたるごと・・・

まぁしかし、アタシごときがどんなに下手な言葉を尽くしても、AC/DCのもう笑うしかない快演に次ぐ快演を的確に言い表せる言葉が出てこない、実際この文は聴きながら書いているが、興奮して言葉が出てこない、笑いしか出てこない。ああ、AC/DC、何でこんなカッコイイんだチクショーめ!!(笑)

コチラの作品はDVDも同時発売されているので、これも是非観て欲しい。そしてノックアウトされて欲しい。

追記

この原稿の下書きを書いているとき、ショッキングなニュースが入ってきた。

マルコム・ヤングが認知症のため、バンドを脱退し、現在入院して闘病中とのことだ。

もうあの絶妙なサイドギターが新作で聴けないと思うと何とも淋しくて悲しいが、AC/DCの音楽に感動して「かっけー!」と思う人が一人でも増えることが、彼の励みになればと思っている。

記:2014/10/06

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●高良俊礼(奄美のCD屋サウンズパル

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