アナザー・ワン(オスカー・ペティフォードの真髄)/オスカー・ペティフォード

   

ベーシストの真髄しまくり!

もっと多くの人に聴いてもらいたい『オスカー・ペティフォードの真髄』。

男一匹ベーシスト、オスカー・ペティフォード!

この太さ、力強さ。
なんと頼もしい安定感。

まさにジャズベーシストの鑑です!

モノラル録音がかえって良い。

彼が発するベースの力強さと暖かさの両方が増幅されているように感じられるのです。

《スターダスト》のテーマは、ゴツンと迫ってくる低音塊がたまらん。

左手がネックを移動する際のキュッ、キュッ!という音も生々しいですね。

《ボヘミア・アフター・ダーク》では、ズンズン!とこちらに迫ってくるかのようなウォーキングベースの迫力!

なんというか大股歩き。

時間という締め切りに迫れてセカセカしてしまうベーシストもいる中、ペティフォードの場合は、刻々と迫りくる時間に対してはじつに悠々としている。

ポール・チェンバースが私のベース・アイドルではあるのですが、ペティフォードを聴くと、大好きなチェンバースでさえ子供に思えてしまうほど、なんというのかな、ペティフォードの存在感は大人に感じるのです。

ま、リーダー作ということもあり、曲によってはチェロも弾いてはいますが(多くの人の耳に訴えかけるには低音より高音域のほうが良いという判断もあるんでしょうね、それがペティフォード自らの意思なのか、それとも制作側の思惑なのかはわかりませんが)、やっぱりペティフォードは、ドスン!ズシン!と低音を発するだけでも十分勝負できる数少ない人だと思うんですよね。

スケールでけぇ~!
というのが、最初の感想であり最終的な感想でもあります。

モダン以前の巨人って、なんだかとてつもない人多いですね。

記:2014/12/22

album data

Another One (Bethlehem)
- Oscar Petiford

1.Another One
2.Minor Seventh Heaven
3.Stardust
4.Bohemia After Dark
5.Oscalypso
6.Scorpio
7.Titoro
8.Don't Squawk
9.Kamman's a-Comin'

Oscar Pettiford (b,cello)
Donald Byrd (tp)
Ernie Royal (tp)
Bob Brookmeye (valve trb)
Gigi Gryce (as)
Jerome Richardson (ts,cl,fl)
Don Abney (p)
Osie Johnson (ds)

1955/08/22

 - ジャズ