超時空メルヘン「ババジ君」第18話
第17話の続きです。
ババジ君が部屋に入った瞬間、目もくらむような眩しさに一瞬ババジ君は「わっ」と声を上げてしまいました。一体この部屋は何なのでしょう。
3m四方の狭い部屋なのですが、壁全面が金色、床も天井も金色です。床にはババジ君の頭ほどの大きさの、これまた金色の球体が固定されています。
この球体から発せられる光が、壁一面に反射しているために、眩しいったらあり ません。どうやらこの部屋にも、例のヘンな女の子はいないようですが、ババジ君は床に固定されている金の玉に目をつけました。
この玉を売ればきっとたくさんお金が手に入るに違いない。
そう思ったババジ君は、腰をかがめて金色の球体に触れてみました。表面はヒンヤリと冷たく、ガラスのような物資でできているようです。ババジ君はこの玉を持ち上げようとしてみました。ビクともしません。
しょうがないから、手にしているムチがわりにした紐で思いっきり玉を打ってみました。パリーンという音を立てて、金色の球体の一つが破片となって飛び散りました。以外に脆い物質のようですね。ババジ君は大きめの破片をいくつか拾い、懐にしまいました。
さて、もうこの部屋には用がありません。出口はいったい何処にあるのでしょうか?
部屋全体が金色に光っているので、ドアのようなものが眩しくて見つけられません。ババジ君は部屋の壁を手探りで探ってみました。壁全体がツルツルしているので、ドアのノブのようなものは見当たりません。
しばらく、金色の壁を探っていると、豆粒のようなデッパリが手に触れました。触れた瞬間ババジ君の体は、目にもとまらぬ早さで天井に吸い込まれていきました。
つづく
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