寝たきりなしで長生きしたいよね。腿の筋肉、尻の筋肉、寝たきり、老化とバレエとヨガ。
日本は、世界一の長寿国ですが、元気な老人の少ない国でもあります。
たとえば、アメリカ。
アメリカには、100歳以上の老人は14万人います。
ところが、日本は2万人しかいません。
アメリカの人口は日本の2倍ですが、100歳以上の人口は日本の7倍も多いのです。
しかも、それだけではなく、アメリカでは100歳以上の老人は、立って歩ける人が多い。それどころか、現役で仕事をしている人だっている。
一方、日本の100歳を超える人たちのほとんどが寝たきりです。
いや、100歳どころか、80代、90代で寝たきりの老人も多い。
日本の平均年齢の高さは、80代、90代の寝たきり老人の人口と、100歳を超えて薬漬けでかろうじて命をとりとめている人たちによって底上げされているわけです。
いっぽう、アメリカの場合は、日本よりも平均寿命は低いにもかかわらず、長生きしている人たちは強い。
100歳越えても立って歩ける人が多いということだけでも、日本の老人のイメージとはずいぶん違いますよね。
というか、寝たきりの外国人のイメージってあんまり私はないんですけど……。
この差はなんでしょう?
昨日、ボディメンテナンス学院・学院長の饗庭秀直さんにお会いして様々な運動生理学のお話を伺ったのですが、それは、腿の筋肉の違いなのだそうです。
椅子と畳の違いなど、生活環境や生活習慣の違いから、国によって使う筋肉が微妙に違ってくるのですね。
日本人は、腿の前のほうの筋肉をよく使うから強い。
反対に、欧米人は、腿の後ろの筋肉が鍛えられている。
この差は、スポーツや格闘技にもあらわれます。
腿の前側の筋肉の発達している日本人は、柔道や綱引きのような「引き」の運動には滅法強いのだそうです。
反面、「押し」の要素の強いスポーツは弱い。
たとえば、相撲が良い例ですよね。
相撲は「押し」の要素が強い格闘技です。
そうすると、後ろの腿が発達していない日本人には不利なんです。
モンゴル人の朝青龍が現役の横綱ということに象徴されるように、ここのところの外国人力士の台頭には、単に「相撲をやりたがる人口が少なくなった」ということ以上に、筋力の違いによる差も大きいのです。
相撲は国技ですが、むしろ「引っ張る」要素の強い柔道のほうが、体質的に国技に向いているぐらい。
いっぽう、後ろの腿の筋肉が発達すると、押す、前へ出るという運動に力を発揮します。
先述した相撲なんかがまさにそうですが、ボールを前に出すバスケットやハンドボールなんかは、身体のバネの違いや身長の差もあるのですが、明らかに日本人よりも欧米人、こと黒人のほうが得意ですよね。
どちらの筋肉が強ければイイというわけでもないのですが、こと「長生き」を前提に考えると、後ろの腿が発達していたほうがいい。
なぜならば、後ろの腿はお尻とつながっているからです。
お尻の筋肉は鍛えられていたほうが良いのです。
なぜなら、老化はお尻から始まるからです。
ということは、お尻が鍛えられていれば、老化を防げる。
だから、お尻が鍛えられていない日本人は寝たきりが多くて、後ろの腿の発達によってお尻が鍛えられている可能性の高いアメリカ人は長寿で歩ける人が多いのです。
なーんて、話を昨日、帰宅してから女房に話したら、「バレエのアラベスクなんてまさに、お尻を鍛えるのに良い運動なのよ」といいました。
というより、バレエは下半身を鍛える運動の宝庫、あなたもやれば?
と勧められてしまった…。
そういえば、バレエは下半身を鍛えるメソッドがいっぱいです。
だって、バレリーナは、開脚180度がアタリマエだし、つま先立ちですからね。
数年前よりバレエを再開した女房は、たしかに腿は太くなりましたが、そのぶん、顔が小さくなりました。
もっとも、姿勢がよくなるので、小さく見えるようになっただけかもしれません。
バレエは世界最古の美容体操。
私は一時期ヨガを習っていたことがあるのですが、身体に関する発想が、バレエとヨガとでは全然違いますね。
まさに、東洋と西洋の思想の差を垣間見るような感じでもあります。
バレエについては、最近女房や息子からいろいろ話を聞きかじって知るようになってきましたが、非常に合理的。
人間の身体を精緻にメカニカルに解析して導き出されたメソッドが、運動原理の中に集約されているような気がします。
いっぽう、ヨガの場合は非常に哲学的。
実利的な効果はもちろんあるのですが、それ以前にポーズをすること自体が一つの哲学であり思想なんですね。
ま、私が通っていたのは、沖ヨガの流れを組む内藤景代さんの教室だったからということもあるかもしれませんが……。
ただ、腿や尻の筋肉の考え方は、私の乏しい知識を照らし合わせてみるかぎりでは、ヨガよりもバレエのほうが1日の長があるような気がします。
私は長生きしたいですが、寝たきりだけの長生きはゴメンです。
できれば、死ぬまで元気に活動しまくっていたい。
そのためには、尻を鍛えたい。
俺もバレエ習おうかなぁ、と冗談半分で呟いたら、息子は、「習うとこんなことも出来るんだよ」と脚を180度開脚して、床に身体をペタンと密着しました。
「ちちうえ、これ出来ないでしょ?」
私の顔を見て勝ち誇ったように笑いやがった…。コンチクチョウ(笑)。
▼これを読んで非常に感銘を受け、一時期新宿の日清パワーステーション近くの道場に毎週通ってました。
▼しかし、上の本は結構難しい。一回や二回で理解出来るものでもない。だから、日常レベルでは、こちらの本を読んで実行してました(しています)。
記:2005/11/15(from「趣味?ジャズと子育てです」)