バード・イン・フライト/ドナルド・バード

   

極上ハードバップとしかいいようがない

ドナルド・バードのブルーノート4枚目の作品だ。

なにしろメンバーが良い。
フロントは、ジャッキー・マクリーンにハンク・モブレイ。
ブルーノートにおいては「助さん・格さんクラス」のホーン陣だ。

彼らを従えて、気持ちよさげに吹くわ、吹くわのドナルド・バード。
気持ちよさのもう一つの理由は、曲の良さもあるかもしれない。

なんたって、曲作りにおいてのセンスは天下一品のデューク・ピアソンが3曲提供しているのだから。バードのオリジナルが2曲だということを考えると、このアルバムはピアソン色が少しだけ強いといえる。

特に《ゲイト・シティ》や《マイ・ガール・シャール》は聴きごたえがある。

もちろん、曲の良さだけではなく、センスの良いピアソンのピアノに、演奏の重心をブレなくガッシリと支える骨太なレジー・ワークマンのベースも素晴らしい。

ある意味、典型的なハードバップな内容には違いないが、“ブルーノート・ハードバップ”とでもいうべき、このようなテイストは、もはや普遍的な黄金のサウンドと呼んでも差し支えあるまい。

このようなテイストのサウンドは、今のジャズマンには出そうとしても、もはや出せない世界なのだ。

記:2010/08/27

album data

BIRD IN FLIGHT (Blue Note)
- Donald Byrd

1.Ghana
2.Little Boy Blue
3.Gate City
4.Lex
5.Bo
6.My Girl Shirl

Donald Byrd (tp)
Hank Mobley (ts) #1,3,4
Jackie McLean (as) #2,5,6
Duke Pearson (p)
Leginald Workman (b)
Lex Humphries (ds)

1960/01/17,25 07/10

 - ジャズ