ブルー・パーラン/ホレス・パーラン

   

これぞジャズ喫茶が似合うピアノトリオ!

これこれ、まさにこれだよ、オレの求めていた雰囲気は。

このダークなフィーリング。沈んでゆく感じ。

決して難解じゃなく、むしろ平易なぐらいな演奏なんだけど、どうしようもなく漂う饐えた感じ。

粘りのあるリズムと、聴きやすさゆえに何度も手が伸びてしまうという白米のような中毒性。そうそう、こういうピアノトリオこそ、俺が求めていたジャズなんだよなぁ。

ジャズ喫茶で、こんな快哉を叫びながらテーブルをバンッ!と叩いて立ち上がった人って、きっと私だけではないと思う。

あれ、私だけ?

それほど、このアルバムはジャズ喫茶の雰囲気とピッタリとマッチしているのだ。

まぁジャズ喫茶といっても色々なタイプがあるので、一口には括れないかもしれないが、大音量・コーヒーの匂い・暗めの照明という3つの要素はだいたい共通しているんじゃないかと思う。

合うんですよ、そういった雰囲気にピッタリと。

いや、合うというよりは、上記の3要素が、このアルバムをキッチリ正しく聴くためのお膳立てという気がしないでもない。

もちろん、自宅で聴いても、クルマの中で聴いても、それはそれで内容の良さは変わらないのだけど、ムードにこだわれば、やっぱりジャズ喫茶が一番じゃないかと思う。

オススメ曲は2つ。

《グッドバイ・ポーク・ハット》と《モンクス・ムード》。

チャールス・ミンガス作曲の《グッドバイ・ポーク・ハット》は、この曲の決定的名演!と言い切ってしまおう。

《モンクス・ムード》は、曲の気分とパーランのピアノの気分がピッタリと一致している。

『セロニアス・ヒムセルフ』のモンクとコルトレーンの演奏が高尚過ぎてまだまだ自分の中に入って来ない人がいれば、こちらの《モンクス・ムード》にトライしてみるのはいかがだろうか?

アルバム全体を彩るブルーなトーン。

『ブルー・パーラン』。

まさにタイトル通り。

ジャケットのアップのパーランのポートレイトも雰囲気にピッタリ。

出来れば、ジャズ喫茶でどうぞ。

album data

BLUE PARLAN (Steeple Chase)
- Horace Parlan

1.Goodbye Pork Pie Hat
2.Sunspots
3.Firm Roots
4.Monk's Mood
5.Neicy
6.Night Mist Blues
7.Cynthia's Dance
8.There's No Greater Love

Horace Parlan (p)
Wilber Little (b)
Dannie Richmond (ds)

1978/11/13

記:2003/11/25 

 - ジャズ