雲流CD整理法

   

ずいぶん前からCDの整理に困っていた。

大量のCDを持っているわけではない。

せいぜい1500枚程度。

しかし、これは単に個人的ワガママなのだが、聴きたい時に聴きたいCDがすぐに取りだせなきなきゃイヤだ。

分散して収納されているモノを、あそこでもない、ここでもない、と労力をかけて探すのは真っ平ゴメンだ。

したがって、家の中にあるCDは一ケ所に集中して保存しておく必要がある。

1年半前に家を購入した際、リビングに置くためにカナダ製のCD棚を買った。CDが1000枚収録出来る大型の棚だ。

一段に100枚前後が収納できる10段の棚。見映えが良くて重宝しているが、当然1000枚しか収録出来ないとなると、この棚一本に所有しているCDを集約出来ない。仕方なしに、あまり聴かないCDは書斎の本棚に収納した。

ところが、日増しにCDが増えるにつれて書斎もCDで溢れだしてきた。これでは収集がつかない。

収集がつかなくなるのはしょうがないとしても、聴きたい時に聴きたいCDをすぐに取りだせないというのが、せっかちな私にしては、なんともイタい。

そこで、CDの収納方法を根本から見直してみることにした。

CD収納の際の最大のネックが、あの忌わしきプラスティック・ケースだ。

CDとはコンパクト・ディクスの略らしいが、どこが「コンパクト」やねん!

レコードと比較すると「コンパクト」らしいのだが、実際はそれほどでもない。CDケースの体積は、LPのジャケットの1/2にすぎない。

しかもLPの紙ジャケットは、ぎゅうぎゅうに詰った棚の中に無理矢理押し込めば、2枚か3枚は無理して入れられるが、プラスティック素材のCDケースはそのような融通がまったく効かない。

そう、CDケースの最大のネックは「幅をとる」ことなのだ!

幅さえ無ければ、面積は小さいので収納場所には苦にならないハズだ。
そこで、幅を取らない収納ケースは無いものかと常日頃探していたが、あった。

下の写真のケースがそうだ。

CD A

あ、上の物質は我が家で飼っている四次元怪獣ブルトンです。あまり気になさらないように。

上の怪獣ではなくて、下のビニール・ケースを見てね。

どうです、薄いでしょ?

厚さはほとんどない。

これは、蔦屋がCDのレンタルに使用しているビニールケースだ。

CDの鏡面を保護するシリコンに油を染み込ませた保護布も中に入っている優れモノだ。

知り合いの業者に依頼してほぼ原価に近い値段で売ってもらった。

売っていただくにあたっての最低ロットが500枚ワンセットだったので、1500枚の3セットを注文して取り寄せてもらった。

また、ヴァージン・メガ・ストアでも、バラ売りをしているらしい。
まとめ買いよりは、多少割高になってしまうようだが。

それでは試しに、私が日頃愛聴している、チャーリー・パーカーの「サヴォイ」のマスターテイク集を例にとって、薄く場所を取らない形態に改造していきましょうか。

それにしても、チャーリー・パーカーCDの上に並んでいる10数枚のCDの厚さを見てよ。

この厚さが整理の際のネックになっているんだよね。

CD B

たしかに、背表紙を見れば、タイトルなりミュージシャン名が印刷されているから、検索は容易なのかもしれないけれども、何百枚とCDが増えてくると、まずCDの背は読まなくなるね。聴きたいCDの在り処は「場所」で覚えちゃうから。

まず、CDケースを分解してしまう。

CDとジャケット、解説書、裏面のインレイカードと、受け皿、そして透明ケースだ。

CD C

この中で不要なものは、透明ケースと、黒い皿。
この二つは捨ててしまおう。

そして、下のように、残りの要素をビニールのケースに収納する。

CD D

ちょっと撮影が下手クソであまり分からないかもしれないが、右のようにワープロなどで作ったミュージシャンの名前を印字したシートを用意する。

私の場合、パーカーのCDは30数枚所有しているので、一気に持っている枚数分を打ち込み、プリントアウトをしてしまう。

そして、一枚一枚を丁寧にカッターで切り取り、細長いシートを作る。

下の写真がそうだ。

CD E

切り取ったシートの上にある白い長方形がCDケース付属のプラスティック板だ。

CD F

ビニールケースの脇には検索しやすいようにインデックス用のでっぱりが付いているが、材質がビニールなだけにすぐにフニャフニャになってしまう。

フニャフニャにならないための補強板と考えれば良い。

このプラスティックの芯の上に切り取ったミュージシャンの名前入りのシートを差し込む。

差し込んだ状態が、下の写真だ。

CD G

御覧の通り、少し長めにカットしたシートがケースからはみ出てしまっている。

ケースを裏返して、ビニールを傷つけないように丁寧にカッターではみ出た箇所を切り取れば、出来上がり!

CD H

プラスティックケースはテカテカとした安っぽい光沢を放っているが、このケースはマット(艶消し)。

特にジャズやクラシックのジャケットなどをこのケースに収納すると、渋くてなかなか良い感じになる。

上の写真は光の関係で光ったように見えるけど、実際はもっと落ち着いた感じに見えるよ。

CD seiri

上の写真は、早速ケースを移し変えたCDを棚に収納した状態だ。

下の段にあるプラスティックケースのCDはマイルス・デイヴィスの2枚組CDのオンパレード。

2枚組のアルバムが7枚連続して並んでいる。

そして、上段のビニールケース収納のCDは、この二枚組CDケース7枚分の厚さで、優に50枚以上の枚数がある。

見た目は20枚ぐらいにしか見えない分量だが、薄いCDケースに移し替えたことによって、かなりのスペースが節約できたことになる。

CDを一枚ずつ移しかえる作業は時間がかかりそれなりに面倒ではあるが、なかなか楽しい作業でもある。

現在は1日に2~3枚のペースで移しかえることにしていて、既に300枚分ぐらいの分量の移し替えは完了した。

おかげで別の場所に分散収納していたCDもCD専用棚に一本化出来つつある。

見た目もスッキリして、収納スペースも格段に増えて、とても得した感じがする。

CDが増えてくると、とかくCD専用のラックやケースを買い求めがちだが、CDラックを買ったと思ってCD収納ケースを買い求めてみるのも面白いと思う。

重宝するよ、きっと。

記:1999/12/24

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