カリスマ/リー・モーガン

   

いなたいジャズロック好きにお勧め!

《月の砂漠》で有名な『ザ・ランプローラー』というアルバムがある。

THE RUMPROLLER ザ・ランプローラー+1
The Rumproller

ジャズロックの金字塔『サイドワインダー』の路線を受け継ぐリー・モーガンのリーダー作だ。

このアルバムのタイトル曲、そう1曲目の、「いなたい8ビート」の、「カッコ悪・カッコ良い曲」のテイストが好きな人には、この『カリスマ』は是非おススメしたいアルバムが『カリスマ』なのだ。

黄金の3管がフロント

《ランプローラー》に輪をかけて、砂糖菓子のような甘い旋律に、魅惑的な、下半身モコモコなリズム。
うーん、たまらん。

しかも、《乱舞ローラー》、じゃなくて、《ランプローラー》より一段とパワーアップしているのは、ホーン人、じゃなくて、ホーン陣でしょう。

なんたって、熱いマクリーンと、マイルドなモブレーがフロントですからね。

モーガンとの相性もバッチリな黄金の三人組とでもいいましょうか。

まるで、直情的な赤と、クールで生意気な青と、デブでカレーが好きなお人よしな黄色のような、コンビが繰り広げるホーンアンサンブルは肩がほぐれるような気分になれる。

チェンバース晩年のレコーディング

リズムセクションは、シダー・ウォルトンのピアノに、チェンバースにヒギンズという安定感抜群のベース&ドラム。

ライナーによると、このアルバムに演奏で参加していたポール・チェンバースは、このアルバムが発表された頃はすでに故人となっていたそうで。

チェンバースの晩年の録音でもあるのだ。

《ヘイ、チコ》なんて、こんなに可愛らしい曲を、「そんなに頑張らなくても……」と心配してしまうほどの熱演だし、デューク・ピアソン作曲の《スウィート・ハニー・ビー》も好アンサンブル。

原曲の“ほんわか&ひょこひょこ”した微妙にぬるい雰囲気は薄れ、ラッパの音色の特性もあるのか、若干勇壮な雰囲気に生まれ変わっている。

ちなみに、私もそうなんだけど、「隠れ《スウィート・ハニー・ビー》ファン」って結構、ジャズ喫茶あたりには多いのですよ。

『カリスマ』は、聴けば聴くほど、和み、少しずつ難しい顔が笑顔でほぐれてゆく。

聴きやすいうえに、親しみやすく、さらには、各々のプレイヤーの熱演も浴びれるという、なかなかオイシイアルバムなのです。

記:2005/09/11

album data

CHARISMA (Blue Note)
- Lee Morgan

1.Hey Chico
2.Somethin' Cute
3.Rainy Night
4.Sweet Honey Bee
5.The Murphy Man
6.The Double Up

Lee Morgan (tp)
Jackie McLean (as)
Hank Mobley (ts)
Ceder Walton (p)
Paul Chambers (b)
Billy Higgins (ds)

1966/09/29

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