クリフォード・ジョーダンの《ラッシュ・ライフ》が素晴らしい!

   

《ラッシュ・ライフ》といえば、コルトレーンを思い出す人も多いと思います。

コルトレーンのバラード表現はあまり好きではない私ですが、素朴な味わいが、ふうわりと醸しでるアルバム『ラッシュ・ライフ』に収められた《ラッシュ・ライフ》は嫌いではありません。

しかし、コルトレーンの《ラッシュ・ライフ》もいいけれど、クリフォード・ジョーダンの比較的あっさりとした吹奏はもっと好きですね。

コルトレーンより、さらに淡々とテーマを奏でているんですが、この淡々とした中に微妙にこめられるニュアンスには深いペーソスがこめられているんですね。

そして、しんみりとした曲調が延々と続くのを避けるためか、テーマを1めぐりしたあとは、拍子が変わってワルツのテンポになるアレンジのアイデアも秀逸。

さらに、伴奏をつけるシダー・ウォルトン以下のリズムセクションもツボを抑えた趣味のよいバッキング。

ジョーダンのテナーを上手に引き立てています。

さらりと味わい深い表現をするジョーダンは、一聴地味かもしれないですが、彼の控えめながらも味わい深いテナーに目覚めると、かなりクセになりますね。

細く長く、大切に付き合いたいジャズマンの一人ですね。

彼の《ラッシュ・ライフ》を聴いたあとに、再びコルトレーンの《ラッシュ・ライフ》を聴くと、京都のおばんざいを食べた後に、東北風の砂糖や塩が多めの濃い味付けの煮物を食べた気分になる(笑)。

ま、たまには、濃い味付けの煮物もいいんだけどね。

▼収録曲
1.Toy
2.Lush Life
3.Moon-A-Tic
4.Spellbound
5.Hot Water
6.Last Night When We Were Young
7.Au Privave

記:2016/05/20

 - ジャズ