ザ・コンプリート・コンサーツ/ジョン・コルトレーン

   

アセンションのライヴ・ヴァージョン!

コルトレーンが、いわゆる問題作とされている『アセンション』を吹き込んだのが1965年の6月だから、このフランスでのライブは、ちょうど1か月後に行われたものだ。

ディスク1がアンティーブで、2枚目は1日後のパリでの演奏が収録されている。

「アセンションのライブ盤」といういわくつきのCD2枚組だが、もちろん《アセンション》以外の演奏も良い。

《アセンション》という曲は、大勢の管楽器奏者がブヒブハとフリーインプロヴィゼーションを繰り広げるための符丁のようなもので、曲がいい悪いというほどのものでもないのだが、ただ編成がコンパクトになったぶん曲の骨格が見えやすくなったので、《アセンション》を難解なものだと誤解していた人が聴けば、「なーんだ、意外とシンプルなのネ」となることだろう。

コルトレーンはひと月前の管楽器のフリーブロウイング大会を一人で再現しようとしているのか、かなりフリーキーに頑張ってはいるのだが、マッコイのピアノソロになると、少し前のコルトレーン・カルテットのような演奏に様変わりする。

そして、そのときの演奏が最強の4ビートというか、とにかくエルヴィンのドラミングが凄いのです。

興奮で血がたぎること請け合い。

『アセンション』以降のコルトレーンが苦手な人にも聞いてもらいたい興奮演奏の連続だ。

記:2014/06/05

album data

The Complete Concerts (Impulse)
- John Coltrane

disc:1
1. Announcements
2. Naima
3. Ascension
4. My favourite things
5. Impressions

disc:2
1. Ascension
2. Afro blue
3. Impressions

John Coltrane (ts)
McCoy Tyner (p)
Jimmy Garrison (b)
Elvin Jones (ds)

1965/07/27 live at Juan Les Pins,Antibes #disc1
1965/07/28 live at Salle Pleyel,Paris #disc2

 - ジャズ