映画「誰も知らない」サウンドトラック/ゴンチチ
映像とともに甦る素朴な弦の調べ
是枝裕和監督の『誰も知らない』。
この映画で思い出すシーンはいくつかあるが、中でも必ず「音」が真っ先に脳裏に蘇ってくる。
その音は、素朴な弦の調べ。
映像とセットで浮かんでくるのだ。
子供たちが公園の遊具でグルグルと回って、無邪気で楽しそうな笑顔を浮かべているシーン。
炎天下の中、子供たちが歩いているシーン。
セリフもSEもない。
ただ、ウクレレの調べが、子供たちの目線の高さで捉えたアングルの映像を
優しく包むだけ。
なんだか、この無邪気な明るさが、とっても哀しく胸をしめつけるのだ。
映像と音楽が、互いが意図的に設けた空白を見事に補完しあっているという、理想的な関係。
ポツリと素朴な三拍子の《誰も知らない -extra version-》。
弦を彩る柔らかいストリングス。
映像はきっと、このような音楽の座る席を設けていたのだろうし、音楽のほうもきっと、あの映像のテイストを求めていたに違いない。
ただし、映画を観ていない人がこの音楽をいきなり聴くと、どういう感想を抱くのだろう?
ちょっと興味深いですね。
収録曲
映画「誰も知らない」サウンドトラック (ポニーキャニオン)
- GONTITI
1.誰も知らない -extra version-
2.ひみつ
3.えんそく
4.やくそく
5.誰も知らない -toy piano version-