電気ベースにかけるエフェクターの話、というか個人的エフェクター失敗談みたいなもの

   

KATANASOUND Super Bass Fuzz 重低音 ベース用オクターブファズKATANASOUND Super Bass Fuzz 重低音 ベース用オクターブファズ

お手入れしないとガリが出る

エレクトリックベースと、アンプだったり、エフェクターだったりの周辺機器は、電気製品でもあるので、時々手入れをしてあげないと、肝心なときに言うことをきいてくれません。

ベースはともかく、私、あんまりエフェクターは使わないので時々思い出したようにエフェクターを使うと、「ガガガガガッ!」とイヤな音を出すことがあります。

そう、ガリっちゃうんです。

だから、たまに押入れの中のエフェクターケースの中で埃をかぶっているエフェクター類を出してベースにつないで調子を見てあげています。

歪み系エフェクター

今日の午後は、ライブ持っているエフェクターの調子を見つつ音を鳴らしていましたが、今のところ問題はなさそうです。

それにしても、私、ベースに対してもそうだけど、エフェクターにもかなりお金を費やしました。

100個はいかないにしても、エフェクター類はかなり買った。

で、なかなか満足のいく結果が得られず、買っては売り、買っては売りを何度繰り返したことだろう(涙)。

低音にかけるエフェクトの音って難しいんですよ。

ギターやキーボードだとかなり露骨にエフェクトがかかってくれるエフェクターでも、ベースにつなぐと、あまり効果なしで、それどころか、妙に音のヌケが悪くなることもしばしば。

特に、私はフラット弦愛用者なので、フラットワウンドは、ラウンドワウンドに比べると倍音が出ないために、エフェクトがかかりにくいんですよ。

ちなみに、フラット弦は、ダダリオとロトサウンドをとっかえ引っかえ使ってます。

多くのエフェクターは低音弦の倍音の周波数にエフェクトをかけますから。

なので、歪み系エフェクターはほんと、20個、いや30個以上は買って試したかな。

椎名林檎の《丸の内サディスティック》の歌詞で

♪ラットひとつ商売道具にしてるさ

と聞けば、ラットを買って試してみて、

「うーん、ギターにかけるといい感じだけど、ベースにかけると音痩せするだけじゃん」とすぐに売っちゃったり、

椎名林檎バンドの亀田誠二がヴードゥーベースを2台直列につないでいるときけば、ヴードゥベースをいきなり2個買って、試してみた揚句、

「うーん、歪み過ぎで高音が強調されて低音が出ないか、セッティングを甘くすると音が妙にこもって太い音が痩せてしまう、とても師匠(亀田さん)のような音は出せん……」と諦めたり、
さらに、「Bass Magazine」を見ると、サンズアンプを使っているベーシストが多いと知り、サンズを買って、DIとしてライブで試してみたら大失敗してしまい、

またすぐに売っちゃったりと、

セッティングの仕方がマズいのか、イメージ通りの音が出ないことのほうが多いんですよ。

歪み系エフェクターは、ほかにもメタルドライヴァーや、ロシア製のビッグマフのような過激なものから、

▼これよりもっと古いタイプのビッグマフね

オーソドックスなオーバードライブやディストーションも数種類試してみましたが、どれもいまいちなんですよね。

▼ダンエレクトロのディストーション

ダンエレクトロのエフェクター類はデザインが可愛くて、小さくて、安いので、けっこうたくさん回集めてました。
でも、ベース向きじゃないね、音痩せしまくるから。

むしろ、私ピッキングが強く、乱暴に弾くみたいなので、出力が小さなアンプにつなぎ、力をこめて弾いたときに出るノイジーで歪んだ音のほうがまだ好みの音かもしれない。

天然歪み音

余談ですが、エフェクターをかけていないのに力を込めて弾きすぎたために、ギターのように歪んだベース音になっちゃったプレイは、ラジオ『快楽ジャズ通信』に板橋文夫さんがゲスト出演された時の「マッコイ・タイナー特集」でのアフターアワーズ編で聴くことが出来ます(笑)。

なので、音がギターのように歪みつつも、きちんと低音がキープされているという音作り、そう、椎名林檎の『勝訴ストリップ』における亀田誠治師匠のような音作りをかなり色々と試行錯誤したにもかかわらず、結局はあまりいい効果が出ないまま、現在に落ち着いています(涙)。

ただ、1つだけお気に入りの歪み系エフェクターがあって、それはロジャーメイヤーのオクターブファズなんですよね。

▼色は違うけど、こんな感じのシンプルなデザイン

これはいい。

ファズといえば、ジミヘンを思い出すギタリストも多いと思うのですが、正解!

ロジャー・メイヤーはジミヘンにファズを作った人なのです。
このロジャー・メイヤーから出ているいくつかの種類のエフェクターのうち、ヴードゥ・ベースはいまひとつだったけど(でも、デザインが好きだから売らずに持っています)、オクターブファズだけは手放せないかな。

デザインもいいし、持ったときのズッシリとした重量感もたまらないです。

つまみも、ボリュームとトーンの2種類しかない潔さも素敵♪

今日は、久々にオクターブファズにベースをつなげて、ギュインギュインと《クロスロード》なんかを弾いて遊んでました(阿呆)。

maxonのフェイザー

あと、歪み系じゃないけれども、コーラス、フランジャー系のエフェクターもかなり試行錯誤をしましたが、やっぱり倍音の出ない弦だとノリが悪いんですよね。

でも、マクソンの古いフェイザーだけは別で、これは、かなりエグくミヨンミヨンとかかってくれて、これまた楽し。

オレンジ色のボディもオシャレで、現在市販されているのも同じデザインなんですが、私が持っているやつは回路が古くて、現行の部品だと、私好みのエフェクトがかからないようなのです(涙)。

で、数年前に、このフェイザーが故障してしまって、メーカーに送っても買え部品のパーツがないため、楽器やのお兄さんが気を効かせてくれてジャンクパーツから部品を引っ張ってきて修理してくれた記憶が。

そのときは、修理代、かなりついたな~。

古い電子楽器は大事にしよう!と思いましたね(笑)。

でも、やっぱり、こうしてエフェクターでミュンミュン言わせながらベースを弾いていても、やっぱり、エフェクターなしで、シールドをアンプ直結がいちばん音が太いし、低音出るし、弾いたときの10の気持ちが10で出てくれるんですよね。

エフェクターを通すと、10の気持ちなのに、出てくる音は8とか7だったりする。
だから、力をこめて弾きすぎておかしな奏法になってしまう。

人が弾くエフェクト低音を聞くのが好き

でもね、人がベースにエフェクターをかけて弾いている音を聴くのは好きなんですよ。

マーカス・ミラーもバランスの良い歪み音でライブパフォーマンスをこの前は繰り広げていてカッコよかったし、ミック・カーンのフランジングされた音や、ブランドX時代のパーシー・ヒースや、ブーツィ・コリンズが過激にVCFをかけた音も大好き。

スティーヴ・カーンと共演している時のアンソニー・ジャクソンのフェイザーの使い方も、ものすごく計算されたセンスを感じます。

ただ、自分でこのようなエフェクターの達人に憧れて真似をすると、気分と音がなかなか一致しないんですよね。

でもエフェクトのかかったベースの音を聴いているのは大好き。

そういえば、ジャズの4ビートでも、エフェクトをミヨンミヨンとかけて4ビートしている人がいました。

今はそれほどでもないけれども、ボビー・ブルームがギターで参加している頃のソニー・ロリンズバンドのボブ・クランショウがけっこうコーラス系のエフェクトをかけて4ビートしてました。

もう少し抑え気味のセッティングで弾いてくれたらもっと良かったのになと思うのですが、今となっては時代の音ですな。

しかし、ヴァイブの音と妙にマッチしたエフェクト4ビートが、ロリンズの『ノー・プロブレム』で楽しむことが出来ます(笑)。

ここで演奏されている曲は、アルバムで聴くよりも、ジャック・ディジョネットのドラミング映像を思いっきり楽しめるモントリオールでのライブDVDのほうが演奏的には良いと思います。

やっぱり、自分が下手にセッティングした低音を自分で弾きながら「う~む」と悩むよりも、自分で弾くときは「アンプにシールド直結!」にし、エフェクトのかかった低音を楽しみたいときは、プロの方の演奏を素直に聴くのが、今の自分には合っているのかもしれません。

記:2010/01/06(from「ベース馬鹿見参!」)

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