一粒で三度おいしいガンプラの愉しみ方

      2021/02/07

ガンプラ、3つの愉しみ

あくまで、私個人のガンプラの愉しみ方です。

私の場合、せっかく買って作ったガンプラなんだから、作って飾ってそれでオシマイでは勿体ないと思うんですよね。

なので、もちろんキットによって接し方は違いますが、私の場合は、作った後もちょこまかと手を加えて愉しみを長引かせることが多いですね。

段階的には、こんな感じです。

1、作る⇒完成⇒嬉しい
2、塗る⇒完成⇒満足
 あるいは、
2、化粧⇒完成⇒驚き
3、飽きたら再度違う色で塗る⇒面白い

これだけだと、よくわからないと思うので順を追って説明していきます。

素組み

「1」の「作る」の段階で終了!なガンプラも多いです。
「素組み」というやつですね。

昔は、「仮組み」といって、いったんランナーから切り離したパーツを接着せずに、マスキングテープなどで貼り付けて、まずは大まかなカタチを作ってしまい、全体のフォルムを俯瞰しながら、今後の工作方針を考えていました。

しかし、今のガンプラは、スナップフィットといって、接着剤を使わずに隙間なしにピタリとパーツとパーツ同士がくっつくようになっています。だから、いったんパチン!と嵌めてしまったパーツを分解するのは結構手間なので、昔おこなっていた「仮組み」が、そのまま「素組み」になっています。

「仮組み」が、そのまま「組み立て」に直結している感じ。

なので、とにもかくにも早くMS(モビルスーツ)のカタチを見てみたい、カタチになったMSを色々な角度から眺めたり、ポージングをつけたりして遊びたい!という時は、さっさと組み立ててしまいます。

ランナーからパーツを切り離す際のゲート処理なんかもあまり気にせずに、さくさくと組んでしまいます。

最近のガンプラのプラスチックの成形色は、かなり設定色に近づくよう細かく色分けされているので、ただ組むだけでも、十分な見栄えになってくれるものも少なくありません。

たとえば、最近作った『ガンプラビルドファイターズ・バトローグ』に登場したストライカージンクスなんかは、塗装せずに組むだけでも、かなり見栄え良く完成したので、今のところは塗装をせずに、そのまま飾っています、(飽きたら塗るかもしれませんが)。

ただ組み立てるだけでも、ガンプラは楽しめるのです。

関連記事:素組み!ストライカージンクス(HGBF)from ガンダムビルドファイターズ バトローグ

つや消しトップコート

このまま素組みが終了した段階で手を止めるのも、もちろんOK。

しかし、もっと見栄えを良くする簡単な方法があります。

それは、つや消しトップコート。

無塗装で完成したボディ全体に、つや消しトップコートを吹くだけでも、かなり「見れる」仕上がりになるので、塗装するのが面倒くさいという人も、騙されたと思って、つや消しトップコートのスプレーをプシューっと吹いてみてください。

たったそれだけでも、かなり見栄えのする作品に変身してくれますよ。

個人的におすすめなのは、シールやデカールを貼った上から吹いてもグシャグシャにならない水性のつや消しスプレーをおすすめします。

ラッカー系だと、せっかく貼ったシールやデカールがグシャグシャになってしまいますからね。

特に、クレオスの「水性プレミアムトップコート」は、プラスチックの表面をしっとりとしたイイ~感じの質感に変身させてくれます。

たとえば、アクトザク。

素組みで作ったものが、こちら。

これに、つや消しトップコートを吹くと、プラスチックのテカテカ感が消えて重量感が増すのです。

もうこれだけで、作ったぁ~!という達成感、満足感を味わうことが出来ます。

ここで、手を止めても全然OK。

部分塗装

素組みで作ってしばらく眺めていると、だんだん飽きてくることもあります。

細かくパーツを塗り分けたいとい思うこともありますし、まったく違う色の機体にしたいという欲求が芽生えてくることもあります。

ですので、完成後は、部品の一部を塗るだけの「部分塗装」を施すこともありますし、全体を塗り替えたいと思い、設定とはまったく違う色で塗ってしまうこともあります。

部分塗装の場合、特に多いのが、外装の裏側ですね。

上記画像は、サンダーボルトの旧ザクのスカートの裏側ですが、黄色いボディの裏側からチラリと見える外装の裏側が原色のカラフルで明るい黄色だと、「メカな感じ」が薄まります。

なので、スカートの裏や、脚部の関節近くの外装の裏側などは、焼鉄色やガンメタルのような金属系の色や、マホガニーやフラットブラウンのような「陰になってくれる茶色系の色」を筆で塗ることが多いです。

あとは、パーツ分割の関係で、本来の設定色とは異なる色になってしまっているところなども部分塗装をすることもあります。

たとえば、ブルーディスティニー2号機の脚部、くるぶしの円形の箇所は、本来は、白なのですが、パーツ分割の関係で、ここの箇所は白ではなく、青の成型色のままになっています。

なので、ここの箇所は、シールで白を表現することになっているのですが、

さすがにシールを貼ってしまうと、そこの部分だけチープな感じになってしまう恐れがあるので、そういう箇所は部分塗装をすることが多いですね。

参考記事:ブルーディスティニー2号機“EXAM"制作記

このように一部分をチョロチョロっと筆塗りをするだけでも、随分と見た感じが変わってくるので、塗装に関心のある初心者の方は、まずは部分塗装からはじめると良いのではないでしょうか。

全体塗装

部分塗装では飽き足らず、いったん作った色とはまったく違う色で塗り替えてしまうこともあります。

たとえば、リヴァイヴ版のギャンのは、色分けがしっかりしているので、成形色そのままで作りましたが、見ているうちにだんだん飽きてきたので、全然設定色とは異なるミラーマンのような配色にしてしまいました。

before

after

このように、自分が好きな色に塗り替えてしまうのもガンプラの愉しみのひとつなのです。

お化粧

塗装をしなくても、質感をアップするカンタンな方法があります。

それは「お化粧」。

つまり、塗らずに、プラスチックの表面をパステルなどの「粉」をこすりつけるわけですね。

私は、タミヤが出しているウェザリングマスターをよく使っていますね。

特に、私は「オイル」を多用しています。

たとえば、この局地型ガンダム。

これは、トップコートを吹く前の画像。
塗装はしていません。

完成した後につや消しトップコートを吹いて、ウェザリングマスターを塗りつけるだけで、こんなに雰囲気が変わります。

組み立てて、デカールを貼って、つや消しトップコートを吹いて、あとはウェザリングマスターを全体にこすりつけるだけで、こんなにも雰囲気が変わるので、いつもゴシゴシ塗りつけながら驚いています。

あ、ちなみに上記画像の局地型ガンダムの場合は、ウェザリングマスターを塗る前に、エナメル系塗料のニュートラルグレーとバフで軽くドライブラシをかけてはいますが、水性トップコートを吹いた上に、エナメル系の塗料を乗せると、水性の被膜が溶解してしまう可能性があるので、原則的には禁則技、あまりオススメはしません。

塗りなおし

これだけでも、ガンプラを買っただけの金額のモトは十分に取れているのですが、さらに私の場合は「塗りなおし」をすることもあります。

色を塗って、飾って、眺めて、何年(何ヶ月)かすると、「やっぱり、この色じゃなくて違う色のほうが良いんじゃないかなぁ?」なんてことを思ったりすることもあります。

そんな場合、お金持ちの人だったら、同じキットを買って違う色で作ればよいのですが、私の場合は、キットを買うお金と、またゼロから組み立てる時間がもったいないと思う性質なので(要するにケチ)、すでに作ったガンプラの上から違う色で塗りなおすことのほうが多いです。

たとえば、下の画像の旧ザクは、最初は赤で塗装したのですが、何年かの後、もっとノスタルジックな色にしたいと思い、紫やピンクを重ねて、まったく別な趣きの旧ザクに塗り替えてしまいました。

before

after

関連記事:ノスタルジック旧ザク制作記

かつて塗った色に対しての思いを一気に払拭するため、そして新たな塗料を塗る前の表面を均一化するため、私の場合は、サーフェイサーを全体にスプレーすることが多いです。

特に、マホガニーや黒のサーフェイサーで全体を塗りつぶしてから、新しい色の塗装にとりかかることが多いですね。

色が一気に変わるので、早く別な色を塗らなければ!と気持ちが急き立てられるという効果もあります。

パテで表面ガザガザ

これだけでも、1体のガンプラで、2~3体分の愉しみのモトは十分に取れるのですが、私の場合、ケチなので、さらに拍車をかけてひとつのガンプラをとことんしゃぶり尽くそうと考えるわけです。

もちろんすべてのガンプラにそうしているわけではありませんが、時折、さらに迫力や重量感を出したいと考えた場合、完成したガンプラの表面にパテを塗りつけて、表面をガザガザに荒らすことがあります。

まるで公園の砂場で砂遊びをしている感覚、あるいは、粘土で遊んでいるような感覚で、パテを指にとって、遠慮なくガンプラの表面に薄くなすりつけていくのです。

これは、バラしたボディにパテが塗られたヅダのパーツ。

関連記事:HGUCヅダ制作レポート(塗装編)

表面がガザガザになると、鋳造された金属のような質感が出てくるので、パテを乾燥させた後に再塗装をすると、ボロいんだけど妙な迫力のある作品に変わってくれることがあります。

マラサイの変化をごらんください。

まずは、普通に塗装したマラサイです。

何年かして、もう少し立体感を出したいと思って、軽く上から追加塗装(ドライブラシ)をしたマラサイです。

さらに、しばらく経った後、もっと迫力を出したいと思って、パテで表面を荒らし、塗りなおしたマラサイです。

どんどんボロくなっていきますが、楽器もピカピカの最新のものよりも、フェンダーのオールドのように経年劣化をしているような外見のものが好きな私にとっては、多少クタびれた感じのほうがツボなのです。

このようにパテを塗りたくって、

関節の内側にもいきわたるように黒い色でスプレーをして、

下塗りが完了したら、あとはひたすら何度も何度も色を重ねて出来上がり!

関連記事:HGマラサイを鋳造表現でリニューアル

ひとつのガンプラで、ここまで愉しめれば、たくさん買いこんで、これを作ったら次はアレ、アレを作ったら、その次はコレ……みたいな感じのラットレース的な作り方はしないでも済みます。

そうすると、ガンプラ予算が浮く!(笑)
奥さんやお子さんがいるご家庭からは、「また新しいガンプラ買ってきて!」と顰蹙を買うことも少なくなる!(笑)

ひとつの愛着あるガンプラと色々なカタチで長く付き合えるというイイことづくめの方法ですね。

もっとも、あまりガンプラを買わなくなると、バンダイさんからは叱られそうですが……(苦笑)。

記:2018/02/22

関連記事

>>HGサンダーボルト旧ザク 制作レビュー

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