E.S.P./マイルス・デイヴィス

   

黄金のクインテット 4部作

ウェイン・ショーター参加のマイルス黄金のクインテット4部作は、やっぱりいいですねぇ~。

21世紀の現在においても、まったく音が古びてない。新鮮だし、刺激がたっぷりなのです。

で、この4枚、私の場合、ヘヴィ・ローテーションとなるアルバムが数年ごとの周期で変化しているようです。

マイルス・スマイルズ

もっとも4ビートジャズに近い尖鋭的な4ビート『マイルス・スマイルズ』の時期。

これが好きだった時期は長かったですね。

ヘンな言い方になるけど、一番ジャズっぽいというか。ストレートアヘッドな4ビートをさらに先鋭化されたサウンドは挑戦的で鋭く、しかも、アップテンポのナンバーではハンコックがあまりピアノを弾いていないところが滅茶苦茶クールだと感じていたものです。

>>マイルス・スマイルズ/マイルス・デイヴィス

ネフェルティティ

次いで『ネフェルティティ』が醸し出す漆黒のドロドロ&うにゃうにゃワールドに魅せられていた時期も長かったなぁ。

セロニアス・モンクの『セロニアス・ヒムセルフ』か『ネフェルティティ』をかけないと眠れないという時期も長く続いたものです。

微睡みを誘発するとともに、漆黒の底無し空間に引きずりおろされ、どこまでも陥没してゆく快感に身を委ねていたものです。

>>ネフェルティティ/マイルス・デイヴィス

ソーサラー

私の周囲のジャズ好きを見渡すと、どういうわけか『ソーサラー』が好きな人が多いことに気が付いた。ジャズ喫茶でも、4枚の中ではもっとも「かかり率」が高いアルバムのような気もした。

で、よくよく考えてみると、『ソーサラー』ってあんまり熱心に聴いていなかたなぁと思い、集中的に聴いていた時期もありましたね。

特に秋。ダークグレーな曇り空につつまれた『ソーサラー』と、冬の気配が感じられる秋の曇り空がシンクロした瞬間、グッときてことも何度かあり、さらに《リンボ》におけるドラムを始めとした絶望的な大爆発にハマっていた時期もありましたね。

E.S.P.

そして、今現在、もっとも聴いている頻度の高いアルバムが『E.S.P.』です。なにしろ、冒頭のタイトル曲が好きで好きでたまらんのです。

まずはトニーが叩きだすシンバルレガートの突入感、没入感が素晴らしすぎる。

あえてショーターに短いアドリブを先発でとらせて、「よしよし、お前の出番はここまでだ」とばかりに、割ってはいるマイルスも、なかなかニクい。

そーっと語りかけるようなラッパから始まり、力強いハイノートを駆使した説得力のあるソロ。ハンコックとトニーは、親分が盛り上げたいところを的確に盛り上げてくれる。

ショーターには少ししかアドリブさせないのに、自分は立派な長いソロを取る親分。ニクい、ズルい(笑)。

1曲目からして、このような楽しみ方が出来るので、残りのトラックも推して知るべし。『E.S.P.』は、聴きどころ満載なアルバムなのです。

記:2012/11/11

album data

E.S.P. (CBS)
Miles Davis

1.E.S.P.
2.Eighty-One
3.Little One
4.R.J.
5.Agitation
6.Iris
7.Mood

Miles Davis (tp)
Wayne Shorter (ts)
Herbie Hancock (p)
Ron Carter (b)
Tony Williams (ds)

1965/01/20 #1,4
1965/01/21 #2,3
1965/01/22 #5,6,7

 - ジャズ