フラワーズ・フォー・アルジャーノン/氷室京介
2018/08/26
BOφWYのラストギグス
BOφWYのラストギグスの最終日に私、行ってるんですよ。
ほとんど最後列だったけど。
熱烈なファンというわけではなかったけど、たまたまチケットが手にはいったから、「ま、最後まで行ってみっか」って軽い気持ちで。
軽い感じだったけど、最終日だったことも手伝って、まぁそれなりにくるものはありましたね。
特に、ストイックな松井恒松の演奏姿を目に焼き付けることが出来てよかったです。
で、レパートリーを快速列車のごとくダーッと勢いよく演奏しまくって、アンコールもハイテンションで疾走して、で、完全に公演が終了したときは、「ああ、本当に終わっちゃったんだよな」といった脱力感は少し感じた。
氷室京介のソロ第一弾
BOφWY解散数ヵ月後にリリースされた氷室京介のソロ活動第1弾『フラワーズ・フォー・アルジャーノン』。
正直言って、たいして期待はしていなかった。
むしろ後続発売予定の布袋の『ギタリズム』に期待していた。
でも、1曲目の《エンジェル》が流れだしたとたん、「うわぁ」と感動してしまいましたね。
だって、まるで、BOφWYだったから(笑)。
ソロ活動をはじめ、己の新境地を最初にアピールする重要な1曲目なわけだから、まったく非BOφWY的なサウンドを配することも出来たはず。
しかし、あえてBOφWY的な楽曲を持ってくる氷室のセンス(プロデューサーのセンス?)には非常に好感が持てた。
東京ドームで、「ああ、本当に終わっちゃったんだよな」とちょっぴり感じた脱力感を、《エンジェル》の出だしのほんの数秒が補填してくれたような気がして。
で、サビのあたりで、もう完全に満たされた感じ(笑)。
なんだか、とても嬉しかった。
氷室京介というミュージシャンのキャパは、もちろんこのアルバムの他の曲を聴いてもらえれば分かるとおり(ポリス的、ビートルズ的な曲もあるネ)、必ずしも「BOφWY的ポップさ」オンリーな人ではない。
しかし、背伸びをせず、現在進行形な自分の姿を見せてくれたところが非常に嬉しかったですね。“過去の延長線にある現在”を否定していない。
あくまで、BOφWYを引きずり、やがて脱BOφWYへ向かうであろう過程を包み隠さず聴かせてくれた。
だから、極端なことを言えば、このアルバム、1曲目が《エンジェル》じゃなかったら、もう聴くのをやめていたかもしれない。それぐらい、大事な場所に大事な曲を配してくれたんだな、と思う。個人的には。
ポップで非常に聴き易いアルバムです。
今でも、ときどき聴きますが、「うん、やっぱり、たまに聴くといいね。にこにこ。」って感じです(にこにこ)。
記:2009/06/23