素組み!HGUCガルマ・ザビ専用ザクII FS型 from 機動戦士ガンダム
2022/02/05
少ないパーツの力強いザクを作りたい
少し前のガンプラを作ってみようと思います。
最近のガンプラは出来が良いのですが、鉄血のオルフェンズのシリーズを除けば、比較的パーツ数が多いものが目立ちます。
その理由は色分けと関節でしょう。
(たとえば、ガンダムの胸のエアインテークやシールドの十字マークの黄色などは、昔は、一体成型となっていたのですが、現在のガンプラは親切に、黄色い別パーツとして分割してくれています。
これは素組み中心のモデラーにとってはありがたいことに違いはないのですが、そのぶんパーツ数が増えてしまっているということがあります。
関節に関しては、可動域を広げて様々なポーズを取れるようになっているのは嬉しいことではあるのですが、そのぶん間接に費やすパーツの数が必然的に増えてしまい、結果、パーツの数、ランナーの数が増えているように感じます。
もちろん、それはそれでまったく不満はないのですが、ときにはヒザ間接や足首の間接のパーツがシンプルに「1個だけ!」とい潔いガンプラもいいかなと思い(要するに組み立てるのが面倒ということもあります)、HGシリーズの初期のガンプラは、わりと間接のパーツが少ないことを思い出し、先日作った「海ジム」同様、部品数の少ないガンプラをもういっちょ作ってみたくなりました。
関連記事:海ジム(ふつうジム)制作記/RGM-79 ジム from 機動戦士ガンダム
では、何がいいか?
やっぱりジムのあとはザクがいい。
では、何ザクがいいか?
ガルマ・ザビ専用ザクがいい!
劇中では、登場しないMS(モビルスーツ)ですし、ガルマといえばドップを駆るイメージの強いキャラでしたが、ジョニー・ライデンの赤ザクや、シン・マツナガの白ザク、あるいはマニア好みのギャビー・ハザードさんの赤黒ザクのように、ザクの一つのバリエーションだと捉えれば良いのでしょう。
そして、なにしろ、パッケージのザクのイラストがカッコいいので前々から気になっていたキットのひとつだったのです。
この「ガルマザク」、普通のザクとは異なるチャームポイントが3つほどあります。
まずは、頭部のバルカン砲ですね。
左右合わせて4つの穴(バルカン砲の発射口)。
もちろん普通のザクの頭をピンバイスで開けるという手もあるのですが、あの曲面の上に均等に4つの穴を開けるのはなかなか難しそうです。
それと、あの装飾ピカピカのヒートホーク。
量産型ザクが持っているヒートホークよりも一回り大きく、かつ金で装飾されたヒートホークは、なかなか魅力的です。
そして、マゼラトップ砲。
これは、ジオンの大型戦車・マゼラアタックの砲をMS用の携行兵器としたものですが、陸戦型ガンダムの180mmキヤノンに迫る175mm砲ですから、かなりの威力を持つ砲です。
この3要素が封じ込められたガルマザクは、なかなか魅力的なキットといえましょう。
部分塗装をする箇所は多そうですが、パーツ数少なくシンプルで力強いザク作りを目指したいと思います。
箱の中
ガルマ・ザビ専用ザクの箱の中です。
取説と、パーツがはいった袋2つ。
うむ、シンプル、力強い。
潔い!
「作るぞ!」欲がむくむくとわいてきます。
ランナーなど
ランナー、取説(取り扱い説明書/設計図)などを並べてみました。
シンプルかつ力強いパーツ構成ですね。
成型色がおいしそうなのですよ。
赤系のパーツは、まるでキャロットスープのよう。
緑系のパーツは、まるでホウレン草スープのよう。
なぜか食欲がわいてきます。
ざっとランナーを並べると、部分塗装が必要な箇所が少なくないことがわかりますが、逆に言えば塗る愉しみもあるキットともいえましょう。
たとえば、ガルマザクのチャームポイントのひとつ、ヒートホークですが、成型色のグレー一色なんですね。
設定色と比べると、なんとも味気ない感じ。
というより、かなり豪華なヒートホークですな。
ドズル専用ザクのヒートホークも、なかなかですけど。
豪華というよりは力強いイメージですね。
とにかくザビ家の息子たちのヒートホークは、デモンストレーション的な意味が大きかったためか、かなり見た目にも重点が置かれているような気がします。
権威や力強さを示威するには格好のアイテムだったのでしょう。
他にもザク制作時においては恒例の肩のスパイクアーマーや、スカートなどの裏地塗装など、部分塗装しなければならない箇所は大量にあるのですが、それはそれでザクを作る愉しみのひとつでもあります。
基本、部分塗装以外は塗装せずに、キャロットスープ色と、ホウレン草スープ色の成型色は活かす方向で制作を進めたいと思います。
Aランナー
ガルマザビ専用ザクのAランナーです。
グリーンのパーツは零戦を塗るとき用にとっておいている中島系と三菱系の暗緑色で塗りてぇ~!という欲望に駆られますが、今回の方針は、「外装は出来るだけ成型色を活かす」なので、グッとこらえてスーパークリアーを吹くのみにします。
Bランナー
ガルマザクのBランナーです。
赤系の色かと思いきや、この色のベースは茶色系なんですね。
この独特な色彩を活かす方向で作っていきたいと思います。
素組み!
Cランナーです。
武器類、関節系が中心です。
グレー一色のパーツ類を見ると、なんだか味気ないものですが、逆に言えば部分塗装しがいがあるぜ!と私の中の「塗り塗り欲」が刺激されます。
ポリキャップとシール
ポリキャップとシールです。
腕の肘関節、円形のグレーはシールで再現することになっているようですね。
シールでもいいけれど、なんか浮いてしまいそう。
ニュートラルグレーあたりを部分塗装しようかな?
それとも、ガルマザクを画像検索すると、ここの箇所は塗らないままの作例も少なくないので、無理して塗らないでおくという手もありますね。
どちらにしようか考えてみます。
取説(取り扱い説明書/設計図)
ガルマザクの取説(取り扱い説明書/設計図)です。
4色面。
1色面。
再び4色面。
2枚あるので、ダブルで表示。
作例とイラストがカッコいいので、早く作って、早く完成させたくなります。
調色レシピ
ガルマザクを塗装する際の塗料の調合は取説(取り扱い説明書/設計図)によると、以下のとおりになります。
やっぱり、ボディのメインカラー、赤みを帯びた茶色が魅力ですね。
・本体等
ブラウン:70%
イエロー:20%
グリーン:10%
ブラック:少量
・胴、サイドアーマー等
グリーン:60%
濃緑色:40%
・胸部、足等
ニュートラルグレー:50%
ブラック:50%
・関節・武器等
ニュートラルグレー:70%
ブラック:30%
レッド:少量
指の部分塗装
手のパーツは、以下のランナーの画像をご覧いただければお分かりのとおり、指も本体と同様「茶色レッド」となっています。
これは、パッケージのイラストを見てもお分かりのとおり、設定どおりの配色ではあります。
しかし、なんか今ひとつメリハリが欲しいんだよなぁ。
ということで、指の箇所だけメタリック調の色で部分塗装することにしました。
とりあえず、マホガニーと黒鉄色を混ぜた色を塗ってみました。
乾いたらメタリック系の色でドライブラシを施して立体感をつけようと思います。
ショルダーアーマーの制作
ザクは肩が命!
よって、まずはショルダーパッドから作り始めます。
ランナーから切り離します。
裏地を塗装。
マホガニーと焼鉄色を混ぜた色を筆塗りしました。
乾いたら両側を張り合わせました。
両側に接着剤を厚めに塗りまくり、ぐにゅぐにゅとはみ出るように張り合わせ。
3日ほど放置して乾燥させます。
乾いたら、180番、400番、800番、1000番という順に耐水ペーパーでスリスリとこすって合わせ目を消しました。
ちょっと成型色より薄くなってしまいましたが、つや消しスーパークリアを後ほど吹く予定なので、それほど気にしていません。
ラッカー系のフラットクリアを吹き付けると、色味に濃さというかコクが生まれてくるのです。
腰のアーマーの裏地を塗装
腰パーツの裏地を塗装しました。
肩のアーマーと同様にマホガニーと焼鉄色を混ぜた色を筆塗り♪
腕、脚の関節を塗装
脚部、腕部の関節パーツを筆塗りしました。
色は肩や腰の裏地と同じく、色はマホガニーと焼鉄色の混色です。
モノアイ
モノアイのパーツを黒鉄色で塗りました。
乾いたら、センサー用メタリックシールを貼り付け。
うわ、ピンボケだ。
ザク口塗装
ザクロ(柘榴)ではなく、ザク口(くち)ね。
クチバシのインテーク(?)のようなところをランナーに付いた状態のまま黒鉄色で塗装しました。
面相筆の毛先に塗料を含ませて、あとは口の部分にチョン!と一回乗せたらそれで終了。
足裏を部分塗装
足裏の噴射口を部分塗装しました。
メタリックレッドに少々シルバーを混ぜた色を筆塗り。
いや、塗りというよりは、塗料を含ませた大き目の面相筆を円形のヘコみの中に置いただけと書いたほうが正確かもしれません。
あとは、調色の際に使用したもう一本の筆に残っていたシルバーで軽くドライブラシ。
本当はこのキットはドライブラシをしないつもりだったのですが、ついつい癖で、筆を持つ指が勝手に、カサコソと筆をパーツの上で動かしていいました。
脚部の継ぎ目消し
太モモとヒザ下、脚部のパーツを組み立てました。
いずれもパーツが左右分割なので、中央に継ぎ目の線が出てくることは必至。
だから、ここの箇所は接着剤(タミヤセメント)をパーツの両側にたっぷりと塗って、むぎゅ~っ!とくっつけました。
接着剤がはみ出るくらいが丁度良いのです。
乾いた後にペーパーがけをするためにも。
そして2~3日放置して、接着剤が完全に乾いたら、180番、320番、400番、800番、1000番という順番で耐水ペーパーをかけます。
この作業で、パーティングライン(分割線)を消しました。
ちょっとプラスチックの粉っぽさが残っているので、後ほどぬるま湯と中性洗剤で洗い流す予定です。
ヒートホークの塗装
「ガルマザク」ならではの装備、派手なヒートホークを塗装しました。
今回は、基本無塗装でいくつもりですが、さすがに成型色がグレーのみのパーツだとね……。
ここは、塗らんとアカンでしょ、と思いますよね?
金色の部分は、カッパーを筆塗りし、乾いた後にシルバーとイエローを混ぜた色を塗り重ねました。
なぜかというと、ゴールドを切らしていたから(笑)。
あとは、赤い部分は隠ぺい力の高いメタリックレッド、緑の部分は暗緑色(中島系)、刃の部分は焼鉄色、先端の箇所をシルバーで塗りました。
乾いたら、つや消しラッカーを吹き付ける予定です。
組み立て前の各パーツ
肩や脚など接着⇒ペーパーがけが必要な箇所の作業が終了したら、残りのパーツはすべて切り出して、最小単位のユニットになるようくみ上げてしまいます。
そして、これらユニットを接合してザクにしてしまう前に、各パーツにつや消しラッカーを吹きつけました。
乾いた後は、Mr.ウェザリングカラーのステインブラウンを筆で塗った直後にティッシュで拭き取る作業を行いました。
並べてみると、こんな感じ。
動力パイプやマシンガンなど溝の深いパーツには、タミヤのスミ入れ塗料のダークブラウンを流し込んでいます。
あとは、これらのパーツを組み立てれば完成ですね。
ボディの組み立て
ボディを組み立てました。
なかなかオイシそうな濃緑色です。
ボディの組み立てと同時並行して、動力パイプがつながっているバックパック(ランドセル)も組み立てています。
背部はこんな感じ。
通常のザクはバックパックにスラスター(バーニア?)が2基ついているのですが、このガルマザクはのっぺりとしています。
そこがまた何だかオシャレなのです。
頭部の組み立て
頭部を組み立てました。
後ろから見ると、こんな感じ。
こうして見ると、隊長機の頭部アンテナ、結構太いですね。
マニアや工作力がある人は、薄く削るんでしょうけど、私はマニアでもなければ工作力も貧弱なので、「太いアンテナなのである」と納得することにします。
ボディに取り付けました。
おお、昔なつかしタコザクチックな顔だぁ!
後ろから見るとこんな感じ。
やっぱりランドセルのバーニア無しの「つるっ!」がイイ感じですね。
脚部の組み立て
さて、脚部を完成させてしまいましょう。
足首の関節は、シンプルな構造かと思ったのですが、意外に部品数が多くて驚きました。
だから、無駄に(?)こんなにストレッチさせることも出来るのです。
胴体に装着!
おお、最近のガンプラではなかなかお目にかかることが出来ない、ズングリ力強いシルエット!
ザクならではの力強さに満ちていますね。
もちろん、最近のスリムなモデル体型ガンプラのプロポーションを否定するわけではありませんが、たまには、こういうドスコイ!なシルエットも良いですね。
正しく、まさしく「ザク!」です。
後姿は、こんな感じ。
まさに、「シンプル・イズ・ベスト」の境地です。
腕の組み立て
両腕をちゃっちゃか組み立ててしまいました。
窪みのところには、タミヤのスミ入れ塗料のグレーを軽~く流し込んでいます。
ボディと合体!
わ~い、ザクだ!←当たり前
しかし、久々に「ザクっぽいザク」を見たような気がします。
「ファーストガンダム」には登場しなかったザクにもかかわらず、ザクっぽく見えるのは、やっぱり、そのふっくらとした体型からなんでしょうね。
ということで、後期生産型のザク(今風体型のザク)と並べてみました。
うーむ、両方ともカッコいいです。
双方には、それぞれのカッコ良さがあるのですが、「別な世界の同じ機種」が並んでいるようにも見えますね。
ザクマシンガンの組み立て
ザクといえば、マシンガン。
マシンガンといえば、ザク?……ってわけでもないですが、とにもかくにも、ザクに似合うザクマシンガンを組み立てました。
ちょっと細長いような印象がしないでもありませんが、カッコいいのでOK。
持たせてみました。
う~む、美しくきまってますな。
「ザクは、かくあるべし」と無言のオーラが伝わってきそうな造形。
なかなか素晴らしいキットです。
バズーカ砲の組み立て
バズーカ砲を組み立てました。
持たせてみました。
バズーカも似合いますが、やっぱり一番似合うザクは、ジョニー・ライデン機かな?
MG 1/100 MS-06R-2 ジョニー・ライデン専用 ザクII Ver.2.0
腰に収納することも出来ます。
なかなかそそる背中になりました。
ただ、腰から引き出すバズーカを取り付けるパーツの保持力が弱いので、気をつけないとバズーカがポロリしてしまいます。
マゼラトップ砲の組み立て
マゼラトップ砲を組み立てました。
なんだかミリタリー心をくすぐる造形です。
ディティールの細密さはドイツの88ミリ砲に遠く及びませんが(そもそもスケールが違いますし)、たまにはミリタリーモデルの大砲モノを作ってみたくなりますな。
昔はドイツの37ミリや75ミリ対戦車砲や、20ミリ4連装高射機関砲38型、それにイギリスだと25ポンド砲など、「大砲モノ」をよく作っていたものですが、なかでもやっぱり圧巻だったのが88ミリ砲でした。
また88ミリ砲、作りたいな~。
当時は、シェパード・ペイン氏の教会の中の88ミリ砲のジオラマや、フランソワ・バーリンデン氏の砂漠の中の88ミリ砲のジオラマをヨダレをたらしながら、かっちょえぇ~、美すぅぃいい~!といいながら眺めていたものです。
ちなみに私が大好きな漫画『エリア88』の「88」って、作者でプラモデラーでもある新谷かおる氏(キャプテン・ハーロックの副長のモデルにもなっていますね)がプラモで作った88ミリ砲にいたく感激してつけたというエピソードを何かのインタビューで読んだ記憶があります。
さて、ガルマザクに持ってもらいました。
うーん、ちょっと照明が暗かったな。
個人的には、この機体にはマゼラトップ砲よりもザクマシンガンが似合っていると思うのですが、それでも、マゼラトップ砲単独のメカとしての魅力は捨てがたく、他のキットを作ったときに流用できそうですね。
たとえば、ドムやグフをボロッちくデザートカラーで塗って、マゼラトップ砲を持たせれば「砂漠に潜むジオン残党」っぽく見えるかもしれまんし。
そういった意味では、このガルマ専用ザクは「部品取り」にも適したキットなのではないかと思います。
ヒートホーク
基本塗装をしたヒートホークに汚しをかけました。
ミスターウェザリングカラーのステインブラウンを塗った後にティッシュで拭き取り、あとはシルバーで軽くドライブラシ。
持たせてみました。
機体の色と調和して似合ってますな。
カッコ良し!
完成!
ガルマ・ザビ専用ザクが完成しました。
ヒートホークや外装の裏側など、一部塗装はしましたが、主なパーツは原則無塗装です。
プラの成型色を活かして、ラッカー系のつや消しクリアを表面から吹いて、あとはウェザリング塗料で軽くフィルタリングをしただけ。
たったそれだけの作業で、こんなにカッコよくなるんだから、このキット、なかなか侮れません。
しかも安いですし、いいことづくめのキットです。
後姿もカッコ良し。
制作中、何度か「塗りて~、筆塗りして~」と「塗りたい欲求」が何度か湧いてきましたが、それをグッと抑えて完成までこぎつけました。
完成すると、「ああ、今回は塗らなくて良かった~」と思いましたね。
それほど、魅力的な成形色なんですよ、ガルマザクのランナーは。
でも次に作る時は塗装バージョンもいいかもねと思っています。
いずれにしても、このキットは超オススメです!
もし店頭でMS06FS「ザクIIFS型(ガルマ・ザビ専用機)」HGと表記されている箱を手にとってみて、パッケージのイラストなどから醸しでる雰囲気にグッときたら、その直感は信じて良いですよ。
きっと期待を裏切らないと思います。
記:2018/06/05
YouTube
動画でもこのキットを紹介しています。
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