ライヴ・アット・カーネギー・ホール/ベニー・グッドマン
ベニー・グッドマンの間違いなく代表作、そして集大成。
1938年にカーネギーホールで行われたライブ演奏を収めたのが本盤だ。
なにせ、メンバーがスゴい。
当時のレギュラーメンバーだったライオネル・ハンプトンはもとより、クーティ・ウィリアムス、ジーン・クルーパ、さらに、カウント・ベイシーにと、当時の一国一城の主、あるいは未来の大御所級のミュージシャンが集結。
さらには、ジョニー・ホッジス、レスター・ヤングなど、当時のスタープレイヤーの参加も参加している。これはもう、贅を尽くしたオールスターセッションだ。
しかも、そのときの演奏を録音したのはたった一本のマイクだったというのだから驚きだ。これほどまでの臨場感、豊かな演奏が一本のラインを通して記録され、21世紀の今日になっても、なお聴く者の心を奮わせるとは。
音のみならず、エネルギー、情感、息遣いなど、様々な音にならぬ情報、空気までもが、封じ込められているのだ。たった一本のマイクが拾った情報量は無限大。今日になっても感動を提供し続けることに貢献している。
ビッグバンドによる迫力の演奏から、トリオやカルテット編成による演奏も収録され、バラエティ豊かな構成。流れにもメリハリがある。
グッドマン全盛期の演奏のみならず、アメリカのスイングジャズ全盛期の模様、空気までが、一本のマイクが拾い、現代に伝えているのだ。
当時のカーネギー・ホールに設置された1本マイクは、タイム・マシンならず、タイム・マイクだったのだ。
記:2006/11/10
album data
LIVE AT CARNEGIE HALL (Columbia)
- Benny Goodman
-disk 1-
1.Don't Be That Way
2.One O'Clock Jump
3.Sensation Rag
4.I'm Coming Virginia
5.When My Baby Smiles at Me
6.Shine
7.Blue Reverie
8.Life Goes to a Party
9.Honeysuckle Rose
10.Body and Soul
11.Avalon
12.The Man I Love
-disk 2-
1.I Got Rhythm
2.Blue Skies
3.Loch Lomond
4.Blue Room
5.Swingtime In The Rockies
6.Bei Mir Bist du Schon
7.China Boy
8.Stompin' at the Savoy
9.Dizzy Spells
10.Sing, Sing, Sing(With A Swing)
11.Big John's Special
Benny Goodman (cl)
Buck Clayton(tp)
Cootie Williams (tp)
Vernon Brown (tp)
Harry James (tp)
Bobby Huckett (cor)
Buck Clayton (cl)
Johny Hodges (ss,as)
Lester Young (ts)
Harry Carney (bs)
Lionel Hampton (vib)
Freddie Green (g)
Count Basie (p)
Teddy Wilson (p)
Walter Page (b)
Gene Krupa (ds)
Martha Tilton (vo)
1938/01/16