絶妙なる「ほどほど」のバランス感覚こそ、大人のオトコのなせるワザなのだ/レスター・ヤング

   

侮り難しな「ほどほど」感覚

それほど頻繁に聴いているというわけではないが、それでもたまにレスター・ヤングを聴くと、「ん~、やっぱりいいなぁ」と、単純に、頭の中が「いい」「いい」という言葉がグルグルと回転しだす。

やはり、なんというか、カッコいい。

このカッコ良さは大人のカッコよさ。

つまり、素晴らしいバランス感覚なんですね。

熱すぎず、頑張りすぎず、余裕があって、それでも人をひきつけてしまう魅力。

ときに切なく、ときにユーモラス。

上記すべての要素にレスターのテナーは“トゥー・マッチ”という言葉は無縁だ。

すべてが「ほどほど」。

もちろん悪い意味での「ほどほど」ではない。

すべてが「ほどほど」な、このバランス感覚って、簡単なようで難しい。やはり年季を重ねたオトコにしか出せない味だと思う。

私もこーいう、仕事も遊びも酒も女も(笑)、すべてを適度にほどほどに身軽に行き来し、なおかつ淡白すぎずに、きちんと自分だけの「味」を出せる粋なオトコになりたいものです。

「雲ちゃん10年計画」というのを今考えるとすると、「レスターのような粋なオトナになる!」ですかねぇ(笑)。

最近愛聴しているのは、以下の2枚。


ザ“カンサス・シティ”セッションズ

プレジデント・プレイズ・ウィズ・ジ・オスカー・ピーターソン・トリオ

両方とも1000円という廉価で再発されているので、これから買う人にとっては嬉しいかぎりだよね。

とくに、最近亡くなったオスカー・ピーターソンとの共演盤をここ数日繰り返して聴いてます。

ピーターソンはあまり聴かないピアニストだけれども、自己のトリオではなく、MPSから出たものや、誰かのバックでピアノを弾くピーターソンは結構好きです。

とくに、若き日のピーターソンのフレッシュなピアノと、枯れた味わいをも感じさせるレスターのテナーは、絶妙な組み合わせ。

この暖かさと溌剌さは、寒くなってきた東京の冬の景色をな明るく楽しく彩ってくれるのです。

今日も朝から足取りが軽いぞ!

記:2009/03/13

 - ジャズ