ヘヴィ・ソウル/アイク・ケベック
ミルト・ヒントンのベース!
ミルト・ヒントンが弾くベースと、アイク・ケベックのテナーサックスのデュオだけでも聴く価値あり。
そう、《ネイチャー・ボーイ》だ。
このハードボイルドな雰囲気は、たまらない。
とことんダークだ。
真夜中の絶望の《ネイチャー・ボーイ》。
この一曲を聴けるだけでもこのアルバムを所有する喜びはあるってものだ。
夜のシジマに深く沈み込むミルト・ヒントンのベース。
虚飾と贅肉をギリギリのところまで拝した編成と吹奏。
これらが、かえってこの曲の深みを空間に燻り出す。
フレディ・ローチも大活躍
《ネイチャー・ボーイ》以外の演奏は、ケベックの良きパートナー、オルガンのフレディ・ローチが大活躍。
タフで躍動感ある演奏が楽しめる。
一瞬《マイルストーン》を彷彿とさせる冒頭の《アクイテッド》が秀逸、かつ気合い充分な演奏で、この力作の幕開けに相応しい。
ブルーノート、アイク・ケベックといえば、まずは『春の如く』が代表作に浮かぶかもしれないが、深みと渋みとコクはこちらのほうが上。
日付を超えた深夜が似合うハードボイルドな1枚だ。
記:2006/11/22
album data
HEAVY SOUL (Blue Note)
- Ike Quebec
1.Acquitted
2.Just One More Chance
3.Que's Dilemma
4.Brother Can You Spare a Dime
5.The Man I Love
6.Heavy Soul
7.I Want a Little Girl
8.Nature Boy
9.Blues for Ike
Ike Quebec (ts)
Freddie Roach (org)
Milt Hynton(b)
Al Harewood (ds)
1961/11/26