イケダハヤト『武器としての書く技術』と、樋口健夫『アイデアマラソン』。この2つの融合が、楽しくブログを続けるコツなのかもしれない。
武器としての●●
イケダハヤト・著『武器としての書く技術』という本を読んでみました。
タイトルが気になったんですね。「武器とての~」というトコロに。
昔、受験生だった頃、私は新宿と代々木のちょうど中間に位置する予備校に通っていました。
この時の英語の先生は、超ハイスピード&ハイテンションで、膨大な量の英文を読解、解説する女性講師の「速読」の授業と、それとはまったく正反対に、じっくりと丹念に複雑な構文を読み解いていく「精読」の授業が人気授業の双璧をなしていたように記憶しています。
そして、その「精読」の授業の講師が、当時東大の大学院生だった牛村圭氏(比較文学者/国際日本文化研究センター教授)だったのですね。
私は、なぜか牛村先生に可愛がられていました(先生からしてみれば、デキソコナイでポンコツな私に慈悲の手を差し伸べてくださっただけだと思うのですが)。
そんな牛村先生が、ある日授業中に「受験生であろうとなかろうと、鈴木孝夫先生の『武器としてのことば』ぐらい読んでおきなさい」と言われました。
早速『武器としてのことば』を買って読んでみたら、これまた面白いというか、当時の私は書いてある内容に大共感。
たちまち愛読書の1冊になってしまったわけですが、そのこともあってか、以来「武器としての」という言葉には「ピクッ!」と反応する体質になってしまったようです。
ちなみに、JICC出版局(現・宝島社)が出版していた別冊宝島の『道具としての英語』シリーズも、当時大学生だった私のアンテナに「ピクッ!」と反応したので、どうやら私は「~としての」という言葉に響きやすい体質なのかもしれません。
この状態は今でも続いているのだな~と痛感したのが『武器としての書く技術』という本だったのですね。
先日、たまたま書店をぶらついていたら、「武器としての」というタイトルの本があるではないですか。
やっぱり「ピクッ!」と反応してしまいましたね。
しかも、ブログに関しての本みたいではないですか。
一応、私もブログ書いているし、面白そうだなと興味を持ち、先ほど読了したという次第であります。
ブログはとにかく書き続けろ
文章上のテクニックや、ネットを活用する上でのテクニック、知恵など、細かなことは本書を読んでいただくとして。
この本で著者が繰り返し主張していることは、
とにかく書き続けろ
⇒記事が貯まれば資産になる
読者からのリアクション、反応に過敏になることなかれ
⇒手が止まっちゃうから
ということです。
私も基本的には、この主張に賛成です。
2007年、私は冗談半分でブログに、「毎日ブログを書き続ける方法」という記事をアップしましたが、ここではたしか「10分で書け」みたいなこと書いてましたな(汗)。
イケダハヤト氏は「15分」だったと思いますが、まあ、ブログに対する考えの根底に流れているものは、同じことだと思います。
「どんどん書こう!」を提唱しているイケダハヤト氏は、「炎上上等」かつ「批判快感」な体質になってしまっているようなので、臆せず自分自身の意見をどんどんネットで発信しつづけてきているのでしょうし、実際、ブログ以外の場所でも「もっと自分の意見を忌憚なく発信しつづけようぜ!」と主張し続けていることはご存知の方も多いでしょう。
アイデアマラソン
しかし。
いや~、仰ることは分かるんですが、やっぱり炎上やだし~、波風立たせたくないし~、出来れば書いた内容に関しては好意的に受け止められたいし~、
そう考えている方のほうが、まだまだ多いのではないでしょうか?
もちろんブログの更新は滞りなくコンスタントに続けたい。
だけど、思ったことを半ば脊髄反射的に書いてアップすることにはタメライを感じる。
そういう方には、樋口健夫氏が提唱するアイデアマラソンの手法をはさむと良いと思いますよ。
樋口さんは、常々、
脳⇒ノート⇒ノートパソコン
といわれております。
なかば口ぐせのように唱えていた時期もありました。
樋口氏のアイデアマラソンという考え方は、イケダハヤト氏の「どんどん書け」に近いものがあり、「アイデアをどんどん書け」なんですね。
ただし、ノートに。
アイデアを思いついたら、どんなにクダラナイ内容でも、どんどんノートに書こう。
そしてナンバリングをして、発想の数をカウントしよう。
このことを継続すると、必ず何百個、何千個のアイデアの中から光るアイデアが出てくる、発見できるという考え方です。
私は、編集者になってからは、日々、企画会議の連続だったということもあり、すぐに樋口さんのアイデアマラソンを取り入れました。
たしか、その時読んだ本は、『アイデアマラソン発想法』だったと思います。
次いで、この本も読んだな。
そして、思いつくこと、目についたことは、即座にノートに書きなぐっていましたね。
樋口さんと知己を得たのも、この時期でして、当時の樋口さんの発想数は30万近くに達していたと思います。
まだ幼稚園児だった息子を連れて、ご自宅を訪問した際は、壁面の書架から溢れんばかりのノート、ノート、ノート!に圧倒された記憶があり、これらのノートに樋口さんの発想が蓄積されているのだと思うと、わけもなく「人間って凄いな~!」と思ったものです。
アイデアマラソンで質の高い記事を!
さて、アイデアマラソンをブログ執筆の前にはさむことによって、より質の高い記事を短時間で書けると思うんですよね。
思いついたことを、反射的にパチパチとキーボードを叩きまくって、送信ボタンを押したところで、本当に良い記事とみなされるのでしょうか?
いや、もちろん勢いって大事ですよ。
起承転結や「てにをは」がなっていなくても、その勢いから生み出されるグルーヴ感が読者をひきつけることってありますから。
しかし、一番納得いかないのは、ほかならぬ書いている自分自身なのではないでしょうか?
自分の心の中では納得がいかないままアップしてしまうことへの抵抗感。
そして、そのような記事が累積していく罪悪感や嫌悪感(までを感じる人は、基本的にブログに不向きなんじゃないかとは思いますが)。
もちろん100パーセント納得した状態でなくても良い。
しかし、出来ることなら60パーセントぐらいは納得した気持ちで送信ボタンを押したい。
そう考えている方は、傍らにアイデアマラソンのノートがあると、心強い気持ちになれることでしょう。
なにしろ、あなたが知恵を絞って発想した内容が、目の前の紙に書かれているのですから。
時間を置いて客観的に見ると、良いアイデアもあれば、クズアイデアもあることでしょう。
クズアイデアは捨て、良いアイデアをピックアップ。
それをメイントピックスにして、記事の柱にすればいいのです。
そして、キーボードを打つ前に、簡単な設計図作り。
トニー・ブザン氏提唱のマインドマップよろしく、ノートに書いたアイデアから枝を生やしていき、このトピックスから派生して生まれてきたアイデアや言葉をメモ書きするといいですよ。
ちなみに、私は、今この記事を書くにあたり、こんなメモを書きましたよ。
たったこれだけ。(・∀・)b
今、このラクガキメモを傍らに置きながら、パタパタとここまでキーを打っています(笑)。
もっと少ないメモを見ながら書くこともあるし、何もない状態で目の前にあるガンプラのアッガイを眺めながら書くことも多いです。
でも、やっぱり手ぶらで書くよりも、「気持ちの重し」みたいなものとして、自分が書いた手書きのメモを傍らに置きながら書くと、気持ちがブレずに書くことが出来るはずです。
だまされたと思ってお試しあれ!
アイデアマラソンの手法を覚えれば、毎日ブログのネタ拾いが楽しくなってくるでしょう。
そして、思いついたアイデアをすぐさま紙に落とし込む癖がつけば、ブログのみならず、仕事においても思わぬ効果を発揮するかもしれません。
詳しくは「アイデアマラソン」のHPをご覧ください。
▼
アイデアマラソン研究所
後は蛇足です
ちなみに、これは私が企画、編集した樋口さんの本。
ビジネスマン向け、それも常に企画を求められる職種の人に向けた内容の本があればいいなぁ~と思って、企画し編集したものなのですが、うーん、あんまり売れなかったのが残念……。
アマゾンのレビューでは高評価なんですがね。
ステマや、やらせ書き込みじゃないですよんw。
レビューしてくださった方、ありがとうございます。
m(__)m
記:2015/06/16
追記
私が読んだ『武器としての書く技術』は、初版本ですが、この初版本のP162の最後から3行目に書いてある、
佐々木さんの審美眼にかなう可能性が記事といえるでしょう。
これって、おそらく誤植ですよね?
私は、
佐々木さんの審美眼にかなう可能性が高い記事といえるでしょう。
と読みました。
記:2015/06/17