battaの《chase》/ジョジョの奇妙な冒険テーマソング
2018/08/19
ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 新オープニングテーマ「chase」
ジョジョの新オープニング
アニメの『ジョジョの奇妙な冒険・第4部~ダイヤモンドは砕けない』、2クールのオープニングテーマ《chase》は、ロックバンド・battaの新曲だ。
広島出身でインディーズで活躍していたバンドとのこと。
たしかに、あの荒々しさにはインディーズ特有の匂いがぷんぷんと漂っていて、なかなか良い感じ。
ただ、ヌルリとしたpart4の世界観にマッチするサウンドかといえば正直疑問が残るのだけれど、それでもあの骨太でガッツのあるサウンドは嫌いではない。
ぶら下がり音程
彼らの荒々い「ぶっきらぼうさ」を印象付ける要素の一つとして、音程がぶら下がっているというところがある。
特にサビから、ラストにかけての音程のぶら下がり(音程がフラットした感じ)は強烈で、これはおそらく意識した「外し」なのではないかと思う。
私の周りには予想以上にサックスや歌の音程のぶら下がりに嫌悪感を抱く人が多く、アルトサックス奏者のジャッキー・マクリーンの音程が悪いからという理由で、マクリーンが嫌いを公言してはばからないジャズファンも少なくない。
イイんだけどな~、マクリーン。
さらに、同じアルトサックス奏者、オーネット・コールマンも、そういえばピッチがぶら下がったり不安定だったりするが、私はマクリーンにしろ、オーネットにしろ、彼らのフラット気味の音程が好きだし、そういうところにも「ジャズ」を感じてしまうんだよね。
イイんだけどな~、オーネット。
私がフラットした音程が好きだというのは、ブルースが好きだからということも大きいかもしれないが、音程が心地よくフラットしていると、上品さはないにしろ、それを補った余りある原始的な衝動のようなものを感じるからなのかもしれない。
生々しさといっても良い。
彼らのフラットした音程は演奏のぼるてージを高める効果があることは確実だ。
それと同様に、battaのヴォーカルにもそれと似たような原初的な荒々しい衝動を感じることができ、決して「アタマ良さげ」には感じないものの、荒々しいヴァイオレンスを感じ取ることが出来、これはこれでジョジョの世界の「いち側面」を表現しているとは思う。
あくまで「いち側面」ね。
というのも、個人的にはエンディング、サヴェージ・ガーデンの《アイ・ウォント・ユー》のほうが、第四部しているとは思うから。
もっともクールが変われば、また主題歌も変わるんだろうな。
battaの音楽は、勢いとインパクトがある分だけ、一発屋特有の匂いもプンプンと感じるんだけれども(失礼!)、この《chase》に比肩、あるいは上回る曲を発表して、長く続いて欲しいバンドだと思っている。
記:2016/07/28