リッチー・カミューカ・カルテット/リッチー・カミューカ

   

明るくほんわか、気軽に聴ける

腹八分目気分で、気軽に楽しめる好盤だ。

マイナー・レーベル、モードに録音された、ウエスト・コーストにおけるテナーの名手、リッチー・カミューカの初リーダー作が本作。

《ジャスト・フレンズ》や、《チェロキー》のようにアップ・テンポの曲では小気味良いプレイが快活に進み、《マイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ》のようなバラードでは、気負いのないストレートなプレイでリスナーの情感に訴えかける。

スタン・ケントン楽団、次いでウディ・ハーマン楽団。チェット・ベイカーに、シェリー・マン、ショーティ・ロジャーズらとの共演で実力を培ってきた彼。

よって、実力とバランスは折り紙つき。既に、本盤が傑作に導かれるためのお膳立ては整っていたのだ。

メロディック、かつ破綻のない安定したプレイ。

フレーズの息が比較的短いのが特徴で、音の"抜き"加減のセンスが秀逸。

このへんが、レスター・ヤングからの影響を感じさせる。

この心地の良い滑らかさ、柔らかさはレスター直系ならではのテイスト。

だけど、レスターと違って、どこか微妙にイモなテナー(笑)。

この絶妙な野暮ったさこそが彼の愛すべきポイントなのかもしれない。

ピアノがカール・パーキンスで、ベースがリロイ・ヴィネガー。

50年代、西海岸のウェスト・コースト・ジャズを代表するサイドマンたちだし、ウェスト・コースト・ジャズに馴染んだ耳には、彼らが繰り出す4ビートが頭の隅で鳴っているはず。

だからこそ、逆に、フロントの管楽器奏者のサウンドキャラクターが浮き彫りになってしまうのかもしれない。

ビシッと決めすぎず、微妙にどこか揺るかで、ホンワカした味わい。

まるで穏やかな日曜日の午後の日差しを浴びているような気分にさせてくる、明るい西海岸の太陽の成分がたっぷり含まれたテナーなのだ。

記:2004/04/12

album data

RICHIE KAMUCA QUARTET (Mode)
- Richie Kamuca

1.Just Friends
2.Rain Drain
3.What's New
4.Early Bird
5.Nevertheless
6.My One And Only Love
7.Fire One
8.Cherokee

Richie Kamuca (ts)
Carl Perkins (p)
Leroy Vinegar (b)
Stan Levey (ds)

1957/07 Hollywood,Calif.

 - ジャズ