田中圭が主演の『凍える鏡』は、臨床心理士役の冨樫真が良い。
2018/06/27
映画『凍える鏡』を観ました。
これは、母娘と青年のかかわりを通して、親から「無条件の愛」を与えられることがなくなった現代人の孤独を描いた物語です。
さらに増加中の「人格障害」も丁寧に描かれています。
田中圭演じる「自己愛性人格障害」の青年は、なかなかリアル。
というか、たまに、いるよね、こういう人。
自己評価がやたらに高い井の中の蛙のような人(笑)。
根拠ない自信を持つのはいいんだけれども、人の意見に耳を貸さない。
批判されると傷つき、キレるタイプ。
へぇ、こういうのを「自己愛性人格障害」っていうんだぁ、と勉強になりました。
もっとも、映画のなかでは軽度の「自己愛性~」とされていたので、真性の人はもっとヒドいんだろうね。
なかなか重いテーマの映画ではあるのですが、私はわりとサクサクと観れました。
抵抗感なく、最後まで必要以上に重苦しい気分にならずに観れるような工夫、きっといろいろとしたんだろうね。
きちんと映画としての作品になっていたと思います。
あまり説教&説明説明くさくなく、キーワードを上手にセリフと登場人物の行動の中に分散させ、物語として昇華、映画としての作品に落としこめていると思いました。
で、全然関係ないのですが、田中圭の演技力もいいのだけれども、私は、臨床心理士役の冨樫真(とがし・まこと)が良かった。
白衣のバージョンもいいけれども、タートルネックの私服姿もいい(笑)。
ああいう、美人だけれども自己防御本能が佇まいとして露骨に現れているようなタイプの女性を口説いてみたい(笑)。
というか、上川隆也にバーのカウンターで口説かれるシーンがあるんだけれども、あの露骨な拒絶の仕方がいいのよ(笑)。
手を握ってくる上川に「どうぞそういうことは、別な人にしてください」と拒絶するところ。
で、上司でもある上川に、職場内で冷たくされるんだけれども、ダメだよ、上川、1回で諦めちゃ(笑)。
というか、職場は職場、プライベートはプライベートだよ。
口説くの失敗したからって、拒絶した女性を職場で冷たくするのはルール違反だってばさ。
それに、1回で諦めちゃだめなの、ああいう「いい女」は(笑)。
私だったら、
口説いて断られ、
口説いて拒絶され……
を30回ぐらい繰り返して、
「しかたないわね、いいよ」と32回目ぐらいにフッと言われて、「ええ、ま、マジっすか!?」と驚いてみたい(なんのこっちゃ)。
なにはともあれ、こういうコジンマリとはしているけれども、こういう丁寧に作られた作品は、是非、多くの人に見てもらいたいと思いますね。
特に、子供を持つ親御さんは、これを観て、もっといっぱい、たくさんたくさん、子供に愛情を注いであげましょう。
記:2008/02/06