無伴奏ライヴ・イン・ヨコハマ/リー・コニッツ
2021/02/26
スッと自然に音の世界に入っていける
1996年の秋、来日の際、横浜の『ST SPOT』にて行われたライブを収録したのが、『無伴奏ライヴ・イン・ヨコハマ』だ。
サックスソロは、1974年の『ローン-リー』(スティープル・チェイス)以来22年ぶりとなる。
淡々とした手法で、その奥底にある豊穣な世界を描き出すコニッツ。
難解さはなく、そのままスッとコニッツ描き出す音世界に入り込める内容だ。
サウンドそのもには全盛期のときのような鋭利さはないが、前線で戦い続けてきた男が年老い、チラリと見せる人生に対する諦観と達観。
だがしかし、その穏やかなプレイには、空間を包む優しさと柔らかさがあるにもかかわらず、確実に我々の耳をつかみ聴き入らせてしまうという、有無を言わさぬ場の支配力も秘めているのは、さすがにベテランならではの実力。
枯れた味わいの中にはときにユーモラスさ、同時に含蓄あるフレーズが入り混じり。じっくりと耳を傾けたい内容だ。
ラスト2曲は、今井和雄のギターとのデュオだ。
記:2006/10/04
album data
UNACCOMPANIED LIVE IN YOKOHAMA (PSF Records)
- Lee Konitz
1.The Nearness Of You
2.Thingin'
3.Darn That Dream
4.Play Fiddle Play~Kary's Trance
5.Subconcious-Lee
6.Duo Improvisation For Alto Saxophone And Acoustic Guitar
7.Duo Improvisation For Alto Saxophone And Electric Guitar
Lee Konitz (as)
今井和雄 (g)
1996/10/24