ベイシー・イン・ロンドン/カウント・ベイシー

   

ベイシー入門に最適

アレンジの妙と、聴き手を圧倒する大音量。

これぞビッグバンドのもっともオーソドックスで、かつ普遍的な魅力の一つだ。

特に、ホーン・セクションが一斉に「ビャ~ッ!!」と聴き手に向けて吹奏する音塊は圧巻。

まさに「音のカタマリ」が胸にぶつけられるような快感を味わえる。

もっとも、こればっかりは、生で接しないと、このような興奮は味わいにくいものだが……。

しかし、このアルバムだったら、部屋の中でもビッグバンドの臨場感や興奮を比較的ナマに近い形で堪能出来るのではないか、と思っている。

《ジャンピン・アット・ザ・ウッドサイド》、《シャイニー・ストッキングス》、《ワンオクロック・ジャンプ》、《コーナー・ポケット》等々、ベイシー楽団の十八番も数多く収録された本作『ベイシー・イン・ロンドン』には、ビッグバンドの醍醐味が凝縮されている。

ベイシー特有のスインギーでノリノリな演奏は、いつ聴いても楽しい。

本当に気持ちをワクワクさせてくれる音楽。
大音量で聴きたい一枚だ。

ちなみに、タイトルはロンドンだが、録音はスウェーデンのエーテボリ(ゴーセンバーグ)。

ベイシー楽団がロンドンで大成功をおさめたのと同時期の録音だから、というのがタイトルの理由らしい。

とにもかくにも、ベイシー入門には最適な1枚だ。

記:2009/05/10

album data

BASIE IN LONDON (Verve)
- Count Basie

1.Jumpin' At The Woodside
2.Shiny Stockings
3.How High The Moon
4.Nails
5.Flute Juice
6.One O'Clock Jump
7.Well Alright,Okay,You Win
8.Roll'em Pete
9.Come Back
10.Blues Backstage
11.Corner Pocket
12.Blee Blop Blues
13.Yesterdays
14.Sixteen Men Swinging
15.Plymouth Rock

Count Basie (cond,p)
Joe Newman,Thad Jones,Wendell Cully,Renuald Jones (tp)
Henry Coker,Benny Powell,Bill Hughes (tb)
Marshall Royal (cl,as)
Billy Graham (as)
Frank Foster (ts)
Frank Wess (ts,fl)
Charlie Fowlkes (bs)
Freddie Green (g)
Eddie Jones (b)
Sonny Payne (ds)
Joe Williams (vo) #7,8,9

1956/09/07

 - ジャズ