アット・ニューポート 1958/マイルス・デイヴィス
キャラ立ちする各楽器奏者
極上のリズムセクションとフレッシュなホーン陣を率い、脂の乗り切っていたマイルスは、1958年、第5回を迎えたニューポートジャズ祭に出演した。
ジャズ評論家のアイラ・ギトラーに「アングリー・ヤング・テナー」と言わしめたこの日のコルトレーンのプレイは、とにかく「怒涛」という形容がふさわしい。
吹きまくるわ、吹きまくるわ。
滑らか、かつ流暢に演奏を盛り上げるキャノンボール・アダレイもコルトレーンと好対照なスタイルだが、コルトレーンとは違うサウンドキャラクターで演奏を盛り上げる一翼となっている。
ミュートでピリリと引き締める側に立つことの多いマイルスだが、ここでは、彼らの熱が乗り移ったかのように熱い。
ミュートよりも、オープン。
渾身の鉛色の音塊を解き放つ。
ビル・エヴァンスがキッチリと脇を固め、3管ホーンが、熱を帯びた渾身の演奏を繰り広げるといった構図だ。
演奏曲は、他のアルバムで聴けるナンバーばかりだが、このメンバーで日夜様々な場所で繰り広げたであろう手練のナンバーが、どう変遷を遂げ、どのようなスタイルで演奏されていたのかを知るにはもってこいのライブ盤といえる。
記:2010/07/17
album data
AT NEWPORT 1958 (Columbia/Legacy)
- Miles Davis
1.Introduction By Willis Connover
2.Ah-Leu-Cha
3.Straight, No Chaser
4.Fran-Dance
5.Two Bass Hit
6.Bye Bye Blackbird
7.The Theme
Miles Davis(tp)
Cannonball Adderley (as)
John Coltrane(ts)
Bill Evans(p)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb(ds)
1958/07/03