ソニー・ロリンズ・イン・ジャパン/ソニー・ロリンズ

   

ヒシヒシと「男」を感じさせるブロウ

これってヘンな意味じゃないよ、誤解しないでね。

あるジャズ本の出版記念のパーティの席で、とある年配のロリンズファンの方が、こう前置きをしてから私にこう仰った。

初めてロリンズのコンサートに足を運んだ際に、
「男に抱かれてもいいと、生まれて初めて思った。」
とのこと。

それほどに、生で観るロリンズの姿と音は、逞しく、力強いもので、「まさに男!」「これぞ男!」と、ヒシヒシと「男」を感じたのだそうだ。

私も何度かロリンズのライブ(というかコンサート)に足を運んだことがあるが、たしかにステージ上の彼の雄姿はそう思わせるものがある。

軽々とテナーサックスを上下させながら吹く姿、エネルギーが有り余ってるゾとばかりに動く姿からは、巨大なパワーの塊を感じたものだ。

ロリンズに「抱かれてもいい」と感じられた方は、その日のラストナンバー(アンコールナンバー?)で力強く演奏されるモリタートを聴いて涙したという。

うん、わかる気がする。

あの明るい曲調にロリンズのテナーサックスがブレンドされると、大袈裟に言えば、勇気と希望が湧いてくるから。

いつのライブに足を運んだのか、聴くのを忘れてしまったが、アルバム化されている70年のライブかな?

『ソニー・ロリンズ・イン・ジャパン』。

《セント・トーマス》、《アルフィー》《モリタート》と彼のトレードマークであり、人気ナンバーのオンパレード。

ロリンズの強い生命力が、これでもか、これでもかとタフで「陽」のエネルギーを放射し、いつしか聴いているほうも前向きな気分となり、ロリンズから無限大の元気をもらっているような気分になれるのだ。

今ではコンプリート盤も出ているので、既にお持ちの方は、2枚組のコンプリート盤を買い直すというのも一興かも。

記:2013/11/08

album data

SONNY ROLLINS IN JAPAN (Victor)
- Sonny Rollins

1.Powaii
2.St.Thomas
3.Alfie
4.Moritat

Sonny Rollins (ts)
Yoshiaki Masuo (g)
Bob Cranshaw (el-b)
David Lee (ds)
James Mtume (per)

1973/09/30

 - ジャズ