『マジすか学園4』ストーリー展開とさくら(宮脇咲良)の過去
現在放映中の『マジすか学園4』は、放送時間や放送回数の制約もあることから(放送回数が当初の予定より減ったようです)、かなり贅肉を削ぎ落とした、シンプルかつスピード感をも伴ったストーリー展開となっています。
刑務所が舞台の『3』を除き、同じ馬路須加女学園を舞台にした『1』と『2』との最大の違いは、主人公(さくら/宮脇咲良)により強くスポットを当てていることでしょう。
そのぶん、それ以外の登場人物のキャラクター描写などは必要最小限に抑えられています。
主人クはテッペン目指して一直線、それに伴い、ストーリーも単純明快・一直線で、シンプル&ストレートなのであります。
特に群像劇色の強い『2』は、それぞれの登場人物の立場や思惑、過去の描写に尺を費やしていたので、今回の『4』と、以前の『2』は、対極のストーリー構成といえましょう。
また、『1』では、主人公(前田敦子)の家族も登場するほか、学校の先生や校長も登場していましたが、『2』以降は、学校の職員はまったく登場していませんね。
つまり、『1』や『2』のように、複数の登場人物やグループのそれぞれの思惑や行動面での描写も大幅にカットされたぶん、主人公さくら(宮脇咲良)の「テッペン取り」の太くてシンプルなストーリーに凝縮されているのです。
今週はこの敵を倒したから次はこの敵、さらに次にはもっと手ごわい相手が控えていて、彼女を倒したら……、と毎週、倒す相手が明確で、しかも少しずつ敵の戦力もレベルアップしているというわかりやすいステップを踏んでいるのです。
そこが見ていて、とてもスッキリしていて、展開が分かっているぶん、逆に次週の放送が楽しみになることもあります(どのような闘いになるのか、ディティール面に関心と妄想が働くため)。
反面、旧作の『1』『2』が好きな人にとっては物足りなさを感じる要因なのかもしれません。
しかし、最初はあまり期待していなかったこともあるのですが、個人的には『4』のシンプルなストーリー展開も結構好きですね。
余計な周辺の描写が省略されたぶん、格闘シーンが長くなり、編集技術も向上しているので、見せ場も増えているような気がします。
試みに『1』や『2』の格闘シーンを今の目で見直すと、なんというか少し間延びをしている感がなきにしもあらず。
格闘シーンは、多くのカットを細かく撮影しており、なおかつ、映像の速度の緩急の付け方の編集が上手なので、なかなか『1』や『2』に比べると、アニメ的あるいはマンガ的ではありますが、単純に見ていて面白いのです。
人間模様ももちろんありますが、それ以上に「格闘」という面に特化しているためか、それこそ特撮ヒーローもの番組を見ている感覚で次週の放映が楽しみにになってくるんですね。
今のところ、楽しみの焦点は、おたべを倒した今、さくらとソルトの闘いと、激尾古高校看護科がどのタイミングでマジすか学園に絡んでくるのか、この2つに注目です。
唯一物足りないと思ったのは、先ほど冒頭に家族の描写が排されているぶん、贅肉が削がれ、物語のスピード感が増しているということを書きましたが、やはり主人公さくらの過去が気になりますね。
今のところ、鞄を持って逃げてゆく父親を泣きながら追いかける幼いさくらの描写しか流れていません。
さくらは、いったいどういう事情で、そして、なにが理由でマジすか学園に鹿児島からわざわざ転校し、テッペンを目指しているのか。
そのあたりの背景、理由をもう少し描写して欲しいなと思っています。
もちろん、今後このようなエピソードが登場する可能性もあるので、そちらのほうに期待したいと思います。
記:2015/03/04