マイルス効果で、光るシルヴァー、ブレイキー

音楽的知性の付加

リーダー作よりも、明らかにマイルスのサイドマンとして参加している時のほうが良いプレイをしていたってジャズマンって、けっこう多いと思います。

その筆頭格がロン・カーター(笑)。

あと、レッド・ガーランドも。

ガーランドは、リーダー作は素晴らしいものが多いのですが、マイルスの下で演奏しているピアノのほうが、ピリリと山椒のような刺激と緊張感に満ちた演奏になっています。

そう、緊張感。

おそらく、マイルスが傍にいるだけで、誰もがおのずと襟を正した演奏になってしまうのかもしれません。

あくまで個人的な感想なんですが、私はホレス・シルヴァーも自身のリーダー作での弾き過ぎピアノよりも、マイルスとの共演でキラリと光る音数節約ピアノのほうが好きなんですね。

あと、アート・ブレイキー。

もちろん、長らくリーダーを務めたジャズ・メッセンジャーズにおいてのドラミングも素晴らしいです。

しかし、マイルスと演っているときのブレイキーは、豪快さに加えて、知性もキラリと光っているんですね。

そう、知性。

シルヴァーもブレイキーも、もちろん、知性がないというわけではないんですが(むしろ2人ともそうとうな知性だと思ってます)、自身がリーダーを務める演奏よりも、マイルスと共演しているときの演奏のほうが、さらにその知性が数倍光っているように感じる。

リーダー時の演奏から感じられる開放感が身を潜め、そのエネルギーが緊張感という一点に濃縮され、エネルギッシュでありながらストイックさも漂うテイストが生まれるんですね。

2人とも表現のダイナミックレンジが広いジャズマンではありますが、その豊かな表現力に、マイルス・マジックが一滴加わると、知性的、かつ音に奥行きのようなものが生まれる。

この2人が参加しているマイルスのアルバムといえば、ブルーノートの『マイルス・デイヴィス・オールスターズ』と、プレスティッジの『ディグ』なんですね。

ホレス・シルヴァーとアート・ブレイキー。

ただでさえ素晴らしいジャズマンなのに、マイルス効果で、さらに音にシャープな鋭さと勢いが生じている。

加えて、何かを暗示するような黒褐色でダークな色合いも生まれている。

この雰囲気、このテイストを求めて、今日も私はマイルスの『ディグ』を聴くのであります。

『ディグ』の良いところ、もう1つ挙げるとすると、必死に周囲に追いつこうと熱演を繰り広げるジャッキー・マクリーン。

彼の真摯なプレイに心打たれる人も多いのでは?

記:2014/11/05

>>ディグ/マイルス・デイヴィス

ジャズ

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