マイルスバンドの一体感~『スティーミン』

   

マイルスの『スティーミン』を聴くたびに、夜な夜な演奏しているグループならではの一体感というか、アンサンブル力にノックアウトされてしまいます。

そして、表出する、この時期ならではのグループカラー。

ビシッ!と一糸乱れずに演奏のタイミングが決まる《ソルト・ピーナッツ》。

このナンバー、
♪ソッピーナッ!ソッピーナッ!ってヴォーカルを入れると、どうしてもマヌケになてしまう曲なんだけど、バッサリとヴォーカルを止めたマイルスの英断(?)は正しい。

良くも悪くもジャムセッション用のナンバーをピリリと辛口な、マイルス・クインテットならではのサウンドに仕上げてしまっているからね。

それと、《ウェル・ユー・ニードント》。

やっぱりテーマのアンサンブルの「揺れ」「ズラし」が、いつ聴いても心地よいですね。

《ソルト・ピーナッツ》にしても、《ウェル・ユー・ニードント》にしても、その場に居合わせたジャズマンが「せーの!」で合わせたところまで、ここまでの一体化したクオリティは出せないはず。

マラソンセッション「ing」シリーズの4枚目の『スティーミン』は、秀逸なバラードを味わえる名盤でもありますが、と同時に、当時のマイルス・黄金のクインテットの「演奏力」「まとまり力」「表現のダイナミックレンジ」をまざまざと見せつけてくれる習作なのです。

ま、そりゃそうですよね。

カウント・ベイシーのオール・アメリカン・リズムセクションや、コルトレーン・カルテトとともに、ジャズの3大リズムセクションなのですから。

当時の黄金のカルテットのメンバー、フィリー・ジョー・ジョーンズ、ポール・チェンバース、レッド・ガーランドの3人の実力はやはり並大抵ではない!

▼レビューはこちらです。
スティーミン/マイルス・デイヴィス

記:2016/01/21

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