『ジャズ批評』のミンガス特集にレビュー書きました。
道化師と黒い聖者
今年(2020年)12月末に発売されるジャズ批評の特集は、「チャールス・ミンガス」。
今までありそうでなかった特集といえましょう。
うん、たしかミンガス特集は無かったはず、私の記憶が正しければ。
で、そのミンガス特集の中のディスクレビューを編集部から依頼されまして、私は9枚担当することになりました。
担当するアルバムに関しては動画で語っています。
そして、先日9枚ぶんの原稿をすべて書き終え、先日編集部に送ったところです。
いやぁ、危ないギリギリだった。
今日が締切日。
今日は日曜日。
おそらく、明日の月曜日から、土日に送られてきた原稿をどんどん捌いていくのでしょう。
ま、各アルバム、どのような切り口で書いていくのか大雑把な方針は決めていて、それで、簡単に1文か2文程度メモ書きはしておいたのですが、あとはしばらく寝かせておいて、ひたすら題材となるアルバムを聴き続ける日々でした。
ま、それほど熱心に聴きまくっていたわけではないのですが、なんとなくボンヤリと聴いていました。
ボンヤリ聴きね。
この聴き方、個人的にはけっこう好きなんですよね。
何かつかむぞ、切り口探すぞ!と挑みかかるような感じでアルバムを聴いていても、私の場合は「気づき」があまり無いのですよ。
ところが、趣味で聴くぞ、楽しみで聴くぞと、ゆるーい気持ちでボンヤリ聴いていると、思わぬ角度から思わぬ気づきや発見があったりする(こともある)。
なので、今回もギリギリまで原稿執筆にとりかからず、ボンヤリとプラモを作ったり塗ったりしながらミンガスを聴いていました。
その中でも、私がいちばんよく聴いていたのが『ザ・クラウン(道化師)』と『黒い聖者と罪ある女』でしたね。
両方とも、ジャズというか「ミンガス」なんですよ。
後者のほうは特に。
『ザ・クラウン』のほうは、ラストのタイトル曲が、なんともいえぬムードを醸し出していて、私の場合、ジャズを聴いているという感覚よりも、ミンガスが作り出した雰囲気を聴いているという感じで楽しんでいました。
昔は、このラストナンバーがあまり好きではなく、この曲がなければ『ザ・クラウン』は、もっと良いアルバムなのになぁ、でも、この曲がなければ『ザ・クラウン』じゃないよなぁ、なんてことを考えていたものですが、そんな私は青かった。
今では、もちろん《ハイチ人の戦闘の歌》や《リインカネーションン・オブ・ラヴ・バード》も大好きなのですが、ラストの《ザ・クラウン》があるからこそ、このアルバムは唯一無二な独特の素晴らしいテイストを持つ作品だと考えるようになっています。
そのことについても、動画で語っています。
とにもかくにも『ジャズ批評』のミンガス特集、発売されたら、ぜひご覧になってください。
記:2020/11/29