追悼・神戸みゆきさん 『響鬼』を再鑑賞
2016/11/16
故・神戸みゆきさん追悼ということで、先週より、『仮面ライダー響鬼』を改めて見返しているけど、いやぁ、面白いね。
平成仮面ライダーでは、『クウガ』と『響鬼』が群を抜いて面白い。
その面白さの共通したところって、単に闘いなだけではなく、ヒューマンな日常のドラマも暖かいまなざしで盛り込まれているところだと思う。
だから、単調さは感じず、1話30分の話を連続して観ても、大きな流れの中にもゆるやかな呼吸があり、まったく疲れず、ストレスを感じずに、楽しく鑑賞することがで出来るのだ。
登場人物の日常を丁寧に描いているからこそ、「未確認生命体」や「魔化魍」といった非日常な化け物の存在がより一層リアルな恐怖として伝わってくるし、スナック「ポレポレ」や、桜子さんの大学の研究室や、甘味処「立花」のように、闘いの後に帰る場所があるからこそ、観ている我々も、ほっとすることができるわけで。
この緩急のバランスが見事なのが、やっぱり平成ライダーの中では、『クウガ』と『響鬼』なんだ。
『クウガ』は古代の超文明がもたらす力だし、『響鬼』は、化け物退治の「鬼」という職能だから、もっとも、「仮面ライダー」という概念から離れているライダーかもしれないけれども、そういうヒーローヒーローしすぎていないところも、私のお気に入りなところなのかもしれない。
昭和ライダーでは『アマゾン』が一番好きだしね(笑)。
もっとも、謎解きの面白さのある『アギト』も好きだし、もう波茶滅茶なぐらいライダーだらけなバトルロワイヤル的な『龍騎』も面白いといえば面白かった。
個人的には、『ブレイド』、『カブト』、『キバ』は今ひとつなんだよねぇ。
休憩がてら、『カブト』や『ブレイド』の何話かを『響鬼』の合間にはさんでみたんだけれども、恐ろしく時間が長く感じられた。
「同じ尺だよね?」と疑ってしまうぐらい、1話が長い。『響鬼』だとスルスルと1話1話が短く感じ、続けざまに観れるんだけどね。
やっぱり、怪物やっつけ組織のリアリティさの問題も大きいのかな、と。
響鬼の「猛士」という組織や、クウガの「警察」は、なんとなくリアリティが感じられるけど、『カブト』のZECTといい、『ブレイド』のBOARDといい、なんだか中途半端なリアリティ。
とくに、響鬼の「猛士」という民間妖怪退治組織(オリエンテーリングのNPO法人でもある)は、もちろんそんな組織はないんだけれども、あたかも存在するような、世界観の設定、いうなれば、嘘の付き方がとてもうまい(笑)。
そんなところも、大人目線で仮面ライダーを楽しんでいる私でありました。
さて、現在再鑑賞している『響鬼』は、もうちょっとで、40話までいきそう(笑)。
改めて観るとやっぱりいいねぇ。
とくに、「響」が「紅(くれない)」になる前ぐらいまでの前半のほうが良い。
記:2009/04/02