セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ/セロニアス・モンク

   

解説動画

モンクとロリンズの相性

モンクとロリンズの相性は、良い。

ちょうど、凸と凹が絶妙に噛み合うかのように、モンクの「♪コキン」と、ロリンズの「♪モワッ」が絶妙にフィットするのだ。

ただし、相性が良すぎて、収まりの良すぎる演奏内容になってしまうことも時としてある。

『ブリリアント・コーナーズ』なんかは、二人の際立った個性が幸せなカタチでぶつかり合った秀作といえる。

ブリリアント・コーナーズ
Brilliant Corners

しかし、『セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ』となると、どうなんだろう?

ちょっと微妙だ。

相性良すぎて「普通」に聴こえてしまうかも

先述したように、良い意味でも、悪い意味でも、収まりが良すぎるんだ。

だから、耳を凝らしてきかないと、とても普通に聴こえてしまうんだなぁ。

もちろん、演奏のクオリティは悪かろうはずはないんだけれども。

そんなわけで、『セロニアス・モンク・アンド・ソニー・ロリンズ』は、モンク初心者の1枚目、2枚目、3枚目、いや、10枚目ぐらいまでは、お勧めしません。

モンクのアルバムなら、もっともっと素晴らしい内容、かつ、モンクという特異なピアニストの全貌がわかり易く出ているアルバムがたくさん出ているからね。

同様の理由で、ロリンズ入門者の最初に聴く数枚としてもお勧めしません。

もちろん、気になった人は、是非耳を通してもらってもぜんぜん構わない。

いうまでもなく、駄盤ではないので。

もし、このアルバムを持っていて、埃をかぶらせている方がいらっしゃれば、そうだねぇ、前半じゃなくて、後半を聴いてごらん。

つまり、ロリンズ不参加のモンクによるトリオを聴いて欲しいのです。

《ナッティ》なんて、けっこうモンクのユニークなピアノが楽しめると思うよ。

ピアノ以前に曲も、かなりユニークだけど。

最後の1曲だけフレンチホルンのジュリアス・ワトキンスが参加していたりと、良くも悪くもプレスティッジ特有の「寄せ集め感」が強いアルバムなんだけれども、楽しみ方を間違えなければ、モンクの面白いところと、ロリンズの面白いところの両方をダブルで味わえちゃうお得なアルバムとも言えるのだ。

記:2013/02/06

album data

Thelonious Monk And Sonny Rollins (Prestige)
- Thelonious Monk

1.The Way You Look Tonight
2.I Want to Be Happy
3.Work
4.Nutty
5.Friday the 13th

Thelonious Monk (p)
Sonny Rollins (ts) #1,2,5
Julius Watkins (frh) #5
Percy Heath (b) #3,4,5
Tommy Potter (b) #1,2
Art Taylor (ds) #1,2
Art Blakey (ds) #3,4
Willie Jones (ds) #5

1953/11/13
1954/09/22
1954/10/25

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