子どもの日記/ムンクの叫び/エリア88

      2019/09/01

おもしろ食器 世界の名画 マグ ムンク SAN1977-B
おもしろ食器 世界の名画 マグ ムンク

徒然雑記

先日、アイデアマラソン研究所所長の樋口健夫氏と、「どうしたら伸びる子を育てられるか」という話をしていたときに、私は、「自分のことを棚に上げて言うけど、せめて夏休みぐらい日記をつけさせるってのはどうでしょう?」と提案しました。

ところが、樋口氏曰く、
「それは、子供にとって一番酷なことなんですよ」。

「あれ? そうなんですか?」と私。

ノート研究家でもある氏は、子供にはどんどんノートを書かせようと提唱しているにもかかわらず、私の予想に反して、意外な返答が返ってきました。

その理由が、「だって、子供はあなたじゃないんだから」。

「へ?」

「そりゃあなたは毎日色々な変化があって面白おかしく生きているから、いくらでも日記の書きようがあるでしょう。でもね、子供の日常というのは、想像以上に、毎日毎日代わり映えのしないものなんですよ。そんなことで、ノートの桝目を毎日埋めさせるのって、子供もヤだし、あがってくる文章だってイヤイヤ書いているんだから面白いわけがないですよ。」

なるほど。言われてみれば、そうですな。

というより、やっぱり、オレって誤解されてるなぁ。
そんなに傍から見ると面白おかしく生きているように見えるのかな。こっちだって結構タイヘンなんだよぉぉぉという叫びは夕闇に消え、「叫び」といえば、先日盗まれたムンクの「叫び」が見つかって良かったよね。

今回の「叫び」奪還の前にも、一度大胆かつ単純な手口でオスロの美術館から盗まれており、それをロンドンの警視庁が操作し取り返すというエキサイティングな本を最近読みましたが、これはなかなか面白かった。

ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日
ムンクを追え! 『叫び』奪還に賭けたロンドン警視庁美術特捜班の100日

私がニコニコしながらその本を読んでいると、息子が「この表紙の絵何?」と尋ねてきたので、これぞ!ムンクの「叫び」さぁ!とひとしきりムンクという精神に患いを持った画家の話をしつつ、私が中学時代に行ったムンク展で買った絵葉書やら資料を見せ、「不安」や「叫び」の絵の空がなぜ毒々しく赤いのかというと、それはムンクが知人らと歩いている最中、真っ赤に染まる空を実際に目にしたという記録が残っており、それは、当時、インドネシアのクラカトア火山が大噴火したことで、その火山灰がなんとヨーロッパの上空にまで飛んでゆき、実際に当時は各地で日没時には空が血のように赤く輝く現象が続いていたのだそうだよ、というような話をしました。

インドネシアやヨーロッパといっても、おそらく息子はピンとこないだろうから、地球儀を取りだして、インドネシアとノルウェーの場所を教えました。

すると、地球儀で見ると改めて、この両土地の距離を実感できます。
インドネシアの火山が、北欧の空を真っ赤に染める。
スゴイですねぇ、地球。

真っ赤といえば、ときどき、夜空を眺めて煙草で一服していると、真っ赤な、いや、アセロラドリンクのような色の月に出会うこともあります。

今日も月が赤いなぁと言うと、「月が赤い日は、地球のどこかで悪い相談をしている人がいるんだよな」と返してくる人が時々いますが、「もしかして、エリア88好きだった?」と訊くと、「うん、そうそう、良く分かったね」という人が多い(笑)。

「ウォーレンがキムにそう語るんだよなぁ」
「そうそうギターを弾きながら」

そこから、話がどんどん発展してゆき、『エリア88』の枠を超え、『ファントム無頼』や『バランサー』にも話が発展してゆき……と、再現ない新谷かおるワールドが展開されるのでありました。

そうそう、『バランサー』といえば、ニヒルな傭兵が主人公の話かと思ったら、主人公が殺され、突如としてコミカルな忍者話になるという、世にも稀な変わりっぷりの漫画でしたね。タイトルも最初は『ジャップ』だったのに、クレームが多かったためにタイトルが変わっちゃったんだよね。

それに伴って、ストーリーも変わってきちゃって、作品の雰囲気も変わってしまった「珍マンガ」でもあります。

表紙を見比べるだけでも、その変化を感じてもらえると思います。

バランサー (1)<バランサー> (コミックフラッパー)
バランサー(1)

バランサー (2)<バランサー> (コミックフラッパー)
バランサー(2)

『エリア88』は以前アニメ化されたことがあり、当時はビデオをレンタルして見たものですが、少し前にDVD化されたので、買いました。

ストーリーはコミックと違うところも多いけれども(特にラスト)、これはこれで納得出来る『エリア88』ではあります。

で、その後、深夜番組で再び『エリア88』がアニメ化され、すべて見ましたが、こっちはあんまり面白くなかった。

カメラマンの火の玉ロッキーこと六木剛をアレンジしたような新庄真なる人物が狂言回しというか語り部役になっているんだけれども、そのストイックな世界観は分かるにしても、あまりに話が違い過ぎ。

なにより、私が好きなサキ(司令官)が地味過ぎ。いつもサングラスかけて(この時点ではまだ目は負傷していないハズ)レーダーで機影を見ているだけで、ほとんどクフィールに乗らない、操縦しない、活躍しない。

あ、クフィールといえば、イスラエルの戦闘機ですが、フランスのミラージュが原型となっている機体で、フランスがイスラエルに武器の輸出を禁止した際に、ミラージュをベースに新たに開発されたのがクフィールなのですね。

私、この戦闘機、結構好きです。

『エリア88』では敵役の東側戦闘機のミグ21も好き。

もっとも、エリアに出てくるプロジェクト4のミグは、外見こそ東側の戦闘機そのものですが、タイヤがミシュランだったりして、西側の部品で作られていることが特徴です。旋回性能悪そうなこの機体のシルエットが好きな私は、きっと尖がったフォルムが好きなのかもしれない。

だから、きっとサンダーバード1号も好きなんだろうな、2号より。

工場の煙突も好きだし、伸びきったクレーンが動くのを見ているのも好きです。
しかし、いくら尖ったものが好きだからといって、やっぱり、注射は嫌いです(涙)。

記:2006/09/15

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