マイ・ソング/キース・ジャレット

2021-02-14

ガルバレクもガンバル

キース・ジャレットのアルバムとして聴いてもよし。

むしろ、ヤン・ガルバレクのアルバムとして聴いても、それはそれで納得な内容の1枚でもある。

それほど、ガルバレクの頑張りっぷりは素晴らしい。

表面的には、どちらかというと無表情を装いつつも、そのじつ、けっこう愛らしい旋律を次々と紡ぎだされている。

ガルバレクよりもキースのピアノに注目するのならば、《マンダラ》だろう。

一瞬、チック・コリアのフリー・インプロヴィゼーションを連想させる瞬間もあるが、滑り抜けるようなスピード感はキースならではのもの。

メンバーのまとまりもよく充実したアンサンブルが楽しめる『マイ・ソング』。

全体的には、とても暖かいアルバムだと思う。

もちろん、鋭角的な攻撃性も顔を出す瞬間もあるが、それをオブラートのごとく暖かくマイルドに、温もりのあるサウンドに仕上げられている。

この緩急のバランスが良い。

キースの作品は、硬質だったり、ツンツンしていたり、エッジが尖っているようなイメージが先行して、どうも苦手なんだよという人も少なくないが、そういう方にこそ聴いていただきたい、マイルドで暖かな傑作だ。

ビバップのような跳躍激しく抽象的なフレーズが好物な人にとっては、なんとなく「ぬっる~い、かな?!」と感じるかもしれないが(実は私も最近までそうだった)、表面的に認識できるメロディメロディした牧歌的なテイストよりも、演奏全体にただよう心地よい「空気の張り」みたいなものを感じ取ることが出来れば、スタイル云々を気にせず、心地よいアンサンブル、演奏として楽しめるのではないだろうか。

記:2009/04/22

album data

MY SONG (ECM)
– Keith Jarrett

1.Questar
2.My Song
3.Tabarka
4.Country
5.Mandala
6.Journey Home

Keith Jarrett (p,per)
Jan Garbarek (ts,ss)
Palle Danielson (b)
Jon Christensen (ds)

1977/11月

ジャズ

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