冷やかなOKINAWAでクールダウン! 上野耕路の『オキナワン・チルダイ』
2019/09/04
カークの興奮、これで冷やす
先日「いーぐる」で行われた、ローランド・カーク研究家である林建紀さんによる「ローランド・カーク」をテーマにした講演会はとっても良かった!
もっとも、たっぷりカークを聴きすぎたので、やっぱり、体内の燃えたぎる熱い血を少しだけクールダウンしたいという欲求も翌日には芽生えるのもいたしかたのないことではある。
なので、上野耕路の『オキナワン・チルダイ』。
これは、高嶺剛監督の『ウンタマギルー』(未見)のサウンドトラックなのだが、これほど、「温度」を感じさせない沖縄ミュージックも珍しい。
沖縄旋律の「ヨナ抜き旋律」を無愛想によそよそしく奏でた、この冷やかな沖縄的音楽は、「沖縄音楽」というよりも「OKINAWA風音楽」といったほうが正しいのかもしれない。
しかし、肌ざわりとは別な部分で、たしかに沖縄ド真ん中なところを貫いている奇妙さが、身体ではなく頭の裏側を刺激するのだ。
肉体性バリバリのカークの翌日に聴く、肉体性皆無の、冷ややかOKINAWAミュージックは、冷たくカークの興奮をクールダウンする。
猛暑の中、キンキンに冷えたクーラーの部屋でかけるために保持しておきたいアルバムだ。
記:2008/12/08
オキナワン・チルダイ
▼収録曲
1. ディスタント・ドーン
2. 圧搾機は唄う
3. 空中浮遊
4. 愛の潮流1
5. 眠れる回想
6. ニラカナイ・ララバイ
7. 盗人
8. 愛の潮流2
9. ウンタマギルー