坂本龍一の新刊と新譜
2018/01/11
坂本龍一の自伝、『セルダム・イリーガル』以来、約20年ぶりの自伝『音楽は自由にする』を読んでいる。
幼少期から現在までの教授の足跡。
ファンとしては面白く、また、駆け足で読んでしまうのが勿体ないので、パラパラとランダムにページをめくりながら、興味のあるトピックスから、ゆっくりと読んでいる。
村上春樹の本を読むときと同じで、勢いに乗って早く読み終わるのが勿体ないので、勢いをセーブしながらゆっくり読むのも、なかなか楽し。
興味深い、というか、「そうだったんだ」と感じたエピソードを1つ書くと、『BGM』に《CUE》という細野さんと幸宏氏の共作の曲があるんだけど、この曲が出来たとき、教授は「二人から復讐されているな」と感じたのだそうな。
この空気は、幸宏氏もキャッチしていたらしく、YMOの再々結成のときに幸宏氏は恐る恐る「CUEをやらない?」と教授に尋ねたのだそう。
なるほどね~、そういうマインドの確執もあったんだ。
ほのぼのとしたのは、「YMO再結成」の話。
「再結成」といっても音楽活動の再結成ではなく、最初は「たまには3人集まって一緒にご飯を食べようよ」というのが趣旨だったのだとか(笑)。
ほのぼのとしていて、こういうの好きだな(笑)。
教授の新譜も個人的には好きです。
声に出してアルバムタイトルを発音してみると、あれ? ……アート・オブ・ノイズ?(笑)
きっと語呂は意識しているんだろうな、音の方向はまったく違うけれども。
『CHASM』以来、5年ぶりのソロだけれども、私は、『CHASM』は5年近くの間、飽きずに、じっくりと、ゆっくりと、たっぷりと楽しませてもらったアルバムなんです。
3回や5回聴いた程度で、「分かった・分からない」の音世界ではない。
時間をかけて、ゆっくりとこちらの感性を馴染ませる作業が楽しいアルバムなんですよ『CHASM』は。
(特に冬の寒い日に、暖房の効いた暖かい部屋で聴くのが良かった)
今回の新譜も、『CHASM』じっくり、じわじわ、ゆっくりと味わおうと思っている。
だから、今のところ、安易な感想や結論は出すつもりなし。
記:2009/03/19
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>>CHASM 坂本龍一