「打・突・殴・撲」の魅力~機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ
2018/08/17
「殴」の魅力
先日、『機動戦士鉄血のオルフェンズ』に登場するガンダムバルバドスと、グレイズの一般機のプラモを作ってみた。
値段の割には充実したプラモだったので、アニメの方も見てみた。
一気に30話まで。
ちなみに、Amazonプライムに加入していたので、全話を無料で観れてしまった。
で、30話ぶん観て感じた『オルフェンズ』なのだが、「殴」の魅力を感じた。
もっと言えば、「殴」だけではなく、「打」、「突」、「撲」の要素も加わる。
肉弾戦のインパクトと痛みが「バコン!」とリアルに伝わってくる新しいガンダム像を楽しませてもらっている。
個人的に好きな機体
無数にあるガンダムのシリーズだが、やはりどのエピソードにおいても、主役機であるガンダムが画面に登場すると、特別感というか、他の量産型のMS(モビルスーツ)とは一線を画する魅力を放っていると思う。
プラモだと、ザクのような量産タイプに魅力を感じる私だが(なにせプラモのガンダムは顔が小さいので、アップで迫力のある映像と同様なインパクトってなかなか感じられない)、やはりアニメ劇中においては、主役機であるガンダムが登場すると、年甲斐もなく心躍る自分がいるのだ。
さて、そんな私が個人的に好きなガンダムは、やはりファーストガンダムのアムロが操縦する本家本元のガンダム、そして『逆襲のシャア』でアムロが駆るνガンダム(ニューガンダム)かな。
オードソックスというか王道というか。
あと、ニュータイプの能力が増長してきたアムロが乗ることになっていた、『ポケットの中の戦争』に登場するアレックスも、なかなかカッコいいガンダムだと思っている。
しかし、オーソドックスにカッコいいガンダムだけではなく、泥臭さが漂う陸戦型ガンダムも好きだ。
さらに、それを現地で改造したEz-8も好きだ。
また、精悍な魅力を誇るエクシアの魅力も捨てがたい。
あと、∀(ターンエー)ガンダムは、脚のラインを美しく感じており、機能美ともいえるデザインに惚れている。
賛否両論のヒゲ顔は、まあ、可もなく不可もなくだけど。
最近のガンダムでは、ユニコーンガンダムも嫌いではないのだけれども、ただ、あまりにも万能すぎるというか強すぎるので、ちょっと引いているところもある。
巨大なラズボス・ネオシオングを引きちぎったり、ソーラレイが放つ波動砲のようなビームの直撃を受けても大丈夫だったりと、「ああ、サイコフレームってものすごく万能なのね、なんでもアリなのね」と思わせる、もはやガンダムというメカを超えた神の領域に突入さえしているんじゃないかとすら思わせるスーパーメカになっちゃているので、個人的にはあまり好みとは言えない。
もっとも、ユニコーンモードのデザインは好きだけど。
特に、ニヤリと笑っているような顔がいいですな。
ガンダムバルバトス
では、上記ガンダムに比べると『鉄血のオルフェンズ』に登場するガンダムバルバトスは、どんなイメージのガンダムなのかというと、一言で言ってしまえば、汗と埃とオイルの匂いがムンムン漂うガンダムだ。
「なんでもアリの超強いユニコーンガンダム」と比較すると、地に足のついた確かなマシンとしての、いや「武具」としてのソリッド感があり、さらに、マシンガンなどの飛び道具を使うには使うが、どちらかというと『ベルセルク』のガッツよろしく、身体に不釣り合いなほど巨大な武具を振り回して相手を殴る「撲」の魅力がある。
そう、まさに『00』のエクシアが「斬」の魅力だとすれば、バルバトスは「殴」の魅力を湛えたガンダムなのだ。
まるで戦国武者の鎧を彷彿とさせる頑強さとシャープさを兼ね備え、猫背気味のエヴァンゲリオンを彷彿とさせる獰猛なフォルムは、タフな鈍器のような味わい。
性能的には、他の世界のガンダム(例えば宇宙世紀バージョンに登場するユニコーンガンダムや、ハイニューガンダム)と比較すると、飛び道具の少なさからしても、劣るのかもしれないが、少なくとも「鉄血のオルフェンズ」の世界においては血と埃の匂いを感じさせるタフなMSであることは間違いない。
『鉄血のオルフェンズ』の世界には、どうやらビーム兵器がないようで、ビームライフルやビームサーベルのようなビーム兵器がないことも、戦闘時に感じる、他のガンダムシリーズの作品とは異なる「打突感」が鑑賞しているこちらのほうにもボコボコと迫ってくるのだろう。
泥と汗がよく似合う
バルバトスは、基本、骨格となるガンダムフレームというものがあり、この骨格に新たな外装を装備することによって次から次へと形体を変化させてゆく。
日本刀のような武器を用いていた時期のバージョンもあるが、個人的には巨大ハンマーのようなものを振り回すバルバドスの雄姿が好きだ。
『仁義なき戦い』がモデルになっているという『鉄血のオルフェンズ』は、たしかに、「兄弟」とか「兄貴」といった「スジ者たち」特有の世界が劇中には色濃く漂い、また登場人物たちの戦いのモチベーションも「実利(経済的豊かさ)」であるところにも好き嫌いは分かれるだろうが、こと「戦闘」においては、「敵同士が無線で会話をしながらビームを撃ち合い、時にはビームサーベルでチャンバラ合戦」という従来のパターン化した(マンネリ化した?)ガンダムの戦闘に新たな息吹を吹き込んだことは間違いない。
『戦闘メカザブングル』や、これに登場するウォーカーマシンが好きな私にとっては、泥と油がよく似合う鉄血のオルフェンズに登場するMSたちは魅力のカタマリ。
漫☆画太郎的な擬音を使うのであれば、「ばちこ~ん!」とばかりに、こちらのマインドを強烈に殴ってくれる爽快感(?)があるのだ。
記:2016/12/07