ドライブしまくるプレヴィンのピアノ~マイ・フェア・レディ

      2017/05/20

マイ・フェア・レディMy Fair Lady

リーダーはドラムのシェリー・マンだが、私はアンドレ・プレヴィンのピアノを楽しむためのアルバムだと思っている。

たたみ掛けるような抜群なドライブ感を誇る、プレヴィンのピアノは迫力抜群。

簡潔な語り口、コンパクトにまとまった構成ながらもスケールの大きなプレヴィンのピアノが頼もしい。

とくに、煽るような左手のコンピングが凄まじく、白人盤ホレス・シルヴァーとでも言うべきか。もっともノリはまったく違うが。

もちろん、リーダー、シェリー・マンの好サポートもあり、ピアノトリオとしての一体感も申し分ない。

ミュージカル『マイ・フェア・レディ』の曲を題材にとった作品集だが、特にこのミュージカルを知らなくても楽しめる内容となっている。

事実、私は、恥ずかしながら、このミュージカルを鑑賞したことはないし、原曲がどのような変身と遂げているのかを知らないながらも、充分にこのトリオの演奏を楽しんでいる。

緩急自在な《教会に間に合えば》でオープニングを飾り、圧倒的にスイングする《一晩中踊れたら》で幕を閉じる。
冗長な要素のまったく無い簡潔な演奏が続き、あっという間にエンディングを迎えるという、バランスよくまとまった一枚となっている。

このアルバムは商業的にも大成功したそうで、コンテンポラリー社創業以来のベストセラーを樹立し、2年間もヒットチャートにランキングもされたほどのベストセラーとなったそうだ。

また、ミュージカルのジャズ化のさきがけとなった作品でもある。

album data

MY FAIR LADY (Contemporary)
- Shelly Manne

1.Get Me The Church On Time
2.On The Street Where You Live
3.I've Grown Accustomed To Her Face
4.Wouldn't Be Loverly
5.Ascot Gavote
6.Show Me
7.With A Little Bit Of Luck
8.I Could Have Danced All Night

Shelly Manne (p)
Andre Previn (b)
Leroy Vinnegar (ds)

1956/08/17(Los Angels)

記:2004/12/01

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