リメイン・イン・ライト/トーキング・ヘッズ
坂本・デヴィシル経由で知った傑作アルバム
トーキング・ヘッズを何か1枚!
となれば、、間違いなく、この1枚!
聴いていると、脳がマッサージされるような不思議な感覚に陥るのは、アフリカン・ビートを大胆に取り入れたことや、しかも、ただ単に異文化圏のビートを取り入れただけではなく、きちんと、自分ら流に「翻訳」しているところがオリジナルなサウンドとなって耳の穴にスイスイと吸収されてゆくからでしょう。
すごく、デジタルというか、クールな視線で「要素」を取り入れていますね。
これは1曲目の、なにがなんだか滅茶苦茶パンチのある《ヒート・ゴーズ・オン》を聴けば、一聴瞭然。
この整理整頓された混沌さは、ものすごく気持ち良いのです。
しかも、初めて聴く人にもスンナリはいってゆける心地よいサウンド。
そう、「サウンド」なんですよね。
曲というよりも、サウンドの肌触りが心地よい。
これは、ブライアン・イーノの参加も大きいのでしょう。
坂本龍一の『左うでの夢』でエイドリアン・ブリューというギタリストを知り、そこからたどり着いたのがトーキング・ヘッズのこのアルバムなんだけど(時系列の順番が逆ですね)、このアルバムにめぐり合えたのも『左うでの夢』のお陰であります。
たとえば、『左うでの夢』で、アッコちゃん(矢野顕子)作詞の《テレム・トゥ・ミー》という名曲があるんだけれども、この曲のギターソロがめちゃくちゃ印象的なのね。
もちろんギターの主はエイドリアン・ブリューなんだけど、この吠えているというか叫んでいるというか何ともいえぬ独特なギターにビリャリ!と脳髄が震えていたので、彼がギターで参加をしているトーキング・ヘッズの『リメイン~』を最初に聴いたときは3曲目の《グレイト・カーヴ》のエイドリアンのギターソロにが、まさに「あのニュアンス」だったので、やっぱり脊髄がバギョリ!とキタものです。
『左うでの夢』で、うっすらと予習をしていたということもあり、スルリッ!とこのアルバムの中に入っていけたのでしょう。
それと、デヴィッド・シルヴィアンね。
彼のソロアルバム『ブリリアント・トゥリーズ』に、トランペットで参加しているジョン・ハッセル。
なかなか抒情的な旋律と音色の持ち主で、このアルバムのノスタルジア感を増幅しまくっている人なんですが、彼もトーキング・ヘッズのこのアルバムに参加していることを後で知った(これも時系列逆ですね)。
このように、80年代のYMOとその周辺の音楽が好きな人なら、おそらく多くの方が坂本・デヴィシル経由でこのアルバムを知った人も少なくないのではないでしょうか。
とにもかくにも、おススメの1枚!
まだ聴いてない人は、テクノ好きも、ファンク好きも、パンク好きも、だまされたと思って聴いてみしっ!
気ん持ち良いから。
収録曲
REMAIN IN LIGHT (Sire)
- Talking Heads
1.Born Under Punches (The Heat Goes On)
2.Crosseyed And Painless
3.The Great Curve
4.Once In A Lifetime
5.Houses In Motion
6.Seen And Not Seen
7.Listening Wind
8.The Overload
David Byrne (lead vocals, g, b, key, per, vocal arrangements)
Jerry Harrison (g, b, key, per, backing vocals)
Tina Weymouth (b, key, per, backing vocals)
Chris Frantz (ds, per, key, backing vocals)
Additional musicians
Brian Eno (bass,key,per,backing vocals, vocal arrangements)
Nona Hendryx (backing vocals)
Adrian Belew (guitar, Roland guitar synthesiser)
Robert Palmer (per)
José Rossy (per)
Jon Hassell (trumpets, horns)
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