りんごのうた/椎名林檎
ほくろを取った椎名林檎。
取った後の最初のシングル&DVDの『りんごのうた』。
《罪と罰》のときは、真っ二つにしたベンツを前面に出したビジアル展開だったが、今回はほくろを取ったという話題性と、そのグラフィックを前面に出した展開。
切ったり取ったりと大変だなぁと思うが、この“一つの出来事”を作品パッケージとしてとても上手に機能&消化させるコンセプトと手腕は秀逸、かつクリエイティヴ&マーケティング的にも賞賛に値する。
腹八分目感が心地よい表題曲、《浴室》のフランス語バージョンは、まるでシャンソンとして最初から作曲された曲なんじゃないかと錯覚してしまうぐらい。オレは大好きよ、コレ。
そして、DVDのほうは、よくもまぁこんなにうまく繋げて編集したなと思わせる過去の映像のコラージュ。
音楽、映像も含め、グラフィック、トータルなパッケージングのコンセプトがとても練られていて素敵です。
完璧なバランスを保った一個の広告クリエイティヴを見ているようで、手元に置きながら飽きずに眺めたり触ったり聴いたり見たりさすったり懐に入れて暖めたりしているのであります。
だって、ジャケットの林檎さん、この季節だと、寒そうじゃないですか(笑)。
記:2003/11/28