ザ・マックス・ローチ4・プレイズ・チャーリー・パーカー/マックス・ローチ
ピアノレス編成、聴きやすいパーカーナンバー
ドラマーのマックス・ローチがリーダーとなり、チャーリー・パーカーの楽曲に焦点を絞った作品集だ(すべての曲ではないが)。
ケニー・ドーハムがトランペットで、ハンク・モブレイがテナーサックス、ジョージ・モロウがベースという組み合わせと、テナーとベースがジョージ・コールマンとネルソン・ボイドに入れ替わった2種類のピアノレスカルテットでの演奏が収録されている。
いずれの編成も、「ピアノレス」であるというところがポイント。
この無駄の無いフォーマットゆえに、かえって、魅惑的なパーカーナンバーのメロディラインが輪郭が浮き彫りにされているところが良いのではないかと思う。
パーカー初心者は、パーカーばかりを聴いてパーカーを好きになろうとするよりも、むしろ、いったんパーカーを離れて、他のジャズマンが演奏するパーカーナンバーを聴いたほうが、かえってパーカーに愛着を持てるんじゃないかというのが私の考えだが、とくに、このパーカーのエッセンスを正しく抽出した作品は、ますますパーカーの音楽に近付く良いパスポートとなるのではないかと思う。
マックス・ローチのエネルギッシュで的確なドラミングがフロントを的確にサポート。
なにしろ彼は第一線でパーカーと共演していた人物なわけだから、悪かろうはずがない。
ケニー・ドーハムの頑張りも素晴らしく、パーカーの作品集としては申し分のない内容となっている。
しかし、パーカーの曲って、パーカーが吹いているときに感じる印象と、他の楽器奏者が演奏している時とでは、まったく違う曲に聴こえてしまう不思議さがあるよなぁと、いつも聞くたびに思っている。
記:2005/06/07
album data
THE MAX ROACH 4 PLAYS CHARLIE PARKER (Verve)
- Max Roach
1.Yardbird Suite
2.Confirmation
3.KoKo
4.Billie's Bounce
5.Au Privave
6.Parker's Mood
7.Raoul
8.This Time The Dream's On Me
9.Tune-Up
10.Anthropology
Max Roach (ds)
Kenny Dorham (tp)
Hank Mobley (ts) #1,2,5,7,8,9,10
George Coleman (ts) #3,4,6
George Morrow (b) #1,2,5,7,8,9,10
Nelson Boyd (b) #3,4,6
1957/12/20 #7,8,9
1957/12/23 #1,2,5,10
1958/04/11 #3,4,6