スキャンダル~朝鮮男女相悦之詞/試写レポート
“冬ソナブーム”とは関係なく、私は単純にペ・ヨンジュンは良い役者だと思う。
幸いにも、私は彼が緊急来日した際、渋谷公会堂で間近で彼の姿を間近で拝むことが出来た。
客席から寄せられるの数々の質問に、一語一句を丁寧に言葉を選びながら、ゆっくりと質問に答える彼に誠実な人柄と、己に厳しい完璧主義に違いない内面を垣間見ることが出来て、好感度がより一層アップした。
それに加えて、私は、役者としての彼の一番のチャームポイントは、「目」だと思う。私は彼の目が好きだ。奥底に宿る力強さがあるのだ。
この力強さの正体はいったいなんなんだろうと、より一層興味を持たせてしまう罪作りな目なのだ。ホモとか男色ではない男性の私でさえそう思うのだから、女性だったらなお一層なのではないだろうか?
『冬のソナタ』においての涼やかで暖かな目(ミニョン役のほうね)、『初恋』においての冷徹な目、『愛の群像』においてのクールさの中に情熱を秘めた目。
求められる役柄によって、その輝きの色は違うが、それでも、奥底から漂う力強さはいつも変わらない。
そんな彼が役者生活10年目において、100近くの出演オファーの中から選び出したという初出演の映画『スキャンダル』。
この劇中での彼の目は、なんともムッチリと粘り気のあるスケベな目と紙一重なギリギリの線でのセクシーな目だった。
フランスのピエール・ショデルロ・ド・ラクロの小説『危険な関係』をモチーフに、舞台を18世紀末、李王朝時代の朝鮮に設定。彼の役柄は次々と女を弄ぶプレイボーイな領主様。
韓国版の『源氏物語』なんて言うと安直なたとえかもしれないが、韓国版の光源氏を演じるペ・ヨンジュンの目の強さは相変わらず。
色気ある目線。まるで女性の肌を目でゆっくりと舐めまわすようなムッチリとした妖しく濃密な目。一歩間違えれば単なる変態の目線に陥ってしまうギリギリ一歩手前の危ういバランスで成り立つ、コントロールの難しい光を見事に宿らせていた。
もちろん、ヨンジュンの好演も光るが、美術も映像も美しく、ストーリー自体も飽きずに、まあまあ楽しめる内容だった。
観た日:2004/04/09
movie data
製作年 : 2004年
製作国 : 韓国
監督 : イ・ジェヨン
出演 : 韓国
配給 : ペ・ヨンジュン、イ・ミスク、チョン・ドヨン 、チョ・ヒョンジェ ほか
公開 : 2004/05/22~
記:2004/04/30