サーチ・フォー・ザ・ニュー・ランド/リー・モーガン

   

自信のほどがジャケ写の表情に

「生意気!」といっても差し支えのない、この不敵な面構えのリー・モーガンのジャケット、『サーチ・フォー・ザ・ニュー・ランド』。

大ヒット盤『サイドワインダー』を吹き込んだ2ヵ月後に製作されたアルバムだ。

いわゆる“ジャズロック”で、大きなヒットを飛ばした《サイドワインダー》とは一線を画する、新たな試みが早くもなされている意欲作だ。

『サイドワインダー』がモノトーンな色彩だとすれば、こちらは、カラフルな色彩だ。

ハンコック、ショーターという新主流派を代表する面子の参加のみならず、アーシーかつブルージーなグラント・グリーンのギターも加わっているところもユニーク。

ドラムは『サイドワインダー』のときと同様のビリー・ヒギンズ。

多彩な顔ぶれが生み出す、万華鏡のように多彩なサウンド。

特に16分にもおよぶタイトル曲は圧巻だ。

当時の飛ぶ鳥を落とす勢いのモーガンの自信と力強さが、ジャケットの表情にあらわれているのだろう。

より一層スケールの大きなサウンドを目指すモーガンの意気込みと演奏が沸点を迎えた瞬間を捉えたアルバムがこれだ。

記:2010/08/08

album data

SEARCH FOR THE NEW LAND (Blue Note)
- Lee Morgan

1.Search For New Land
2.The Joker
3.Mr. Kenyatta
4.Melancholee
5.Morgan The Pirate

Lee Morgan(tp)
Wayne Shorter(ts)
Grant Green(g)
Herbie Hancock (p)
Reginald Workman (b)
Billy Higgins (ds)

1964/02/15

 - ジャズ